長年培ってきたやり方を変えるのって難しい。 技術的に難しいこともあるが、心理的な嫌悪感を克服することが難しかった。 今回『実況パワフルプロ野球11』をプレイするのはイヤだったな。 このことを私は説明してみたいと思っている。 『11』を始めるにあたって、私はいつものようにストレートの打ち込みをやることにした。 ヤクルトの五十嵐を絶好調にして直球だけひたすら打つ。 もちろん、強振で。 このとき「あれっ?」と思った。 ローズを使ってセンターに打ち返しているはずなのに、全部打球がレフトに飛ぶ。 かなり振り遅れていたのだ。 一応『10』と比べてみたのだが、球が速くなったという感覚はなかった。 ただ、ちょっとミートポイントが前にあるような気がした。 それは必然的にミートマーカーをアジャストするための時間が短くなったことを意味する。 しかし、キャッチャーミットがじっとしていれば、これはたいした問題ではなかった。 慣れれば、少しバットを早めに振るだけの話である。 次に「マイライフ」を始めて驚いたのだが、ミットが投げるギリギリまで動く。 これは困った。 早めに始動しなければいけないのに、どこへ投げるのか見当がつかない。 速い球にはまるで対応できなかった。 ここで少し、私がいつもどのように打ってきたのかを書いておく。 「パワプロ」ではミットをみて、どの辺にボールが来るのかを把握しておくことが重要であった。 球種を判断しなければならないので、視線はピッチャーの手元とミートポイントの中間あたりに置いておく。 その視野の上のあたりでミットを把握するのである。 人間の目は中心以外は正確に見えないので、アバウトに見ておく。 ミットが体に近いか遠いか、上か下か、といった具合に。 実際打つ場合には、「ミットの位置把握」→「球種判断」→「ミートマーカーをアジャスト」というプロセスを踏んでいるわけだ。 ところが、『11』ではミットがギリギリまで動いているので、ミットの位置を把握していると、もうボールがきてしまう。 こうなると、強振で速いストレートは絶対に打てないのである。 その対処法として、従来法で遅い球を狙うか、思い切って新打法に切り替えるかという選択を迫られた。 これは辛かったな。 最初のうちはやりたくなくて、『ファントムブレイブ』に逃げた。 まあ、結果から言うと、私は新打法に取り組むことにした。 遅い球が来る保証はないし、そもそも遅い球が無いピッチャーだっているのだ。 新打法ならば、今までよりもよくボールが見えるので、直球を待って変化球にも対応できるのである。 肝心の新打法というのは、単に上への意識を切って、ボールからミートポイントまでに意識を集中させるだけのことである。 従来法は視線を極端にミートポイントにあわせなくても、大体カンで打てたのだが、新打法は球種判断とアジャストを同時に行っていく。 このためには、反射速度とアナログスティックの位置止め精度を上げる必要があった。 タダひたすら練習あるのみ。 これは大変だったね。 経験的には、アナログスティックの精度を出しやすい位置と出しにくい位置がある。 従って、球種で絞るのではなく、コースで絞るという考えもあるんじゃないか。 中心から遠い位置は合わせづらいし、真ん中からちょっとずれたところに合わすのも難しい。 中心からドーナツ状に打ちやすいゾーンがあるような気がする。 『11』では、強振が打ちにくくなった分、あるいはそれ以上に枠を広げて打つことが有利になっているんだけど、やっぱりホームランを打ちたい。 狙ってホームランを打つのが「パワプロ」だからね。 ただ、これホンマにみんな出来るんかいな? 野球ゲームとしては正しい方向だとは思うけど。 あんまり難しくなると、ライトユーザーどころか、平均的なユーザーまで置き去りなってしまうのではないかと心配である。 くどいようだけど、すごく大変だったからね。 <参考データ> 難易度 ごくふつう 6年目 打率 .334 本塁打 62本 打点 163点 弾道 ミート パワー 走力 腕力 守力 エラー 4 3 154 11 10 5 7 取得スキル チャンス5 対左投手5 パワーヒッター 初球○ エラー 得点圏にランナーがいるときは、ミート打法を多く使った成績。 この年は本塁打・打点の二冠王。 今岡が狂ったように打つので、打率は無理かも。 ケガで10試合ほど出場できなかったので、本塁打はもう少し打てそう。 70本は超えられる手応え。 でも、もう止めるつもり。 3年目あたりで既に成長が止まってしまって、なんかやってても甲斐がない。 |