バテン・カイトス2_1

新しい流れ 2006_03_17

 

ゲームの続編は大抵前作より複雑になっているものである。
狭義のゲームってのは要するに負荷なのだが、慣れると負荷が小さくなるので、続編ではより大きな負荷をかける必要が出てくるからだ。
続編と銘を打つからには、前作をプレイした人を対象にせざる得ないわけで、これは致し方のないことだった。
それが故にゲームの世界は閉塞してきたのだが。

一方で、最近新しい流れが出来つつあった。
おそらく携帯電話用のゲームから始まったのだと思うのだが(私は携帯電話で遊んだことないけど)、いわゆる「ミニゲーム」が創られるようになった。
作品としては小さくても、その分値段も安いから、バランス取れてるでしょ?というのである。

ところが、これは必ずしも正解ではなかったようだ。
値段は安いけど、ゲームとしての喜びもあまり大きくなかったらしく、ムーブメントを起こすようなゲームは出てこなかった。
そこにNDSが登場して、いわゆるミニゲーム的なんだけど、デバイスを変えることによって新しい喜びと価値を創造した。
私たちはそれをいま目の当たりにしている。

実は私は『バテン・カイトス2』について書こうとしている。
据え置きであるGC用のゲームついて。
というのは『2』はちょっと異質なのである。
続編なのに、むしろゲームが簡略化されているのだ。

前作に引き続き属性はあるのだが、特殊攻撃だけになって、反対属性による打ち消しがなくなった。
これによって、使えないカードが貯まっていくのもふせげるし、デッキを組むのも簡単になった。
実際に遊んでみて、脳みそにかかる負荷は3割ぐらい軽減したような気がする。
その代わり、テンポアップさせることで、単位時間あたりのゲームは減らさない。
ことによると増えているぐらいかもしれない。
ゲームを減らしても、時間を短くしてやれば良いんだ、という発想は今風だな。
ゲームをミニにしても、負荷とそこから得られる喜びが見合えばいい、という発想。

で、さらにインチキ麻雀みたいにカードを積み込んでやる。
そうすると、テンポよくコンボが発生して、プレイヤーの努力に対して、より大きな喜びを与えることが出来るのだ。
これはよく出来たゲームだな、と感心しながらやってきた。
クリアして大満足のゲームだったな。

ただ2回ほど、いたずらに戦闘を長引かせるボスが出てきて、ちょっと辟易した。
ディスク2枚目の頭なんかは壁を設定する位置としては納得できるし、防御カードを組み込ませよう、とか、全体攻撃のカードを組み込ませよう、という意図は分かる。
ただし、明確な意図を持って、この忙しいゲームシステムを構築したのであれば、こういう敵は創らないかな、とも思った。
だってデッキが悪いと延々倒せないからね。
この密度で1時間戦い続けるなんて、ちょっとあり得ない。
ダメならダメで早くゲームオーバーにして欲しかった。
今時の流れを意識して構築されたゲームなのか、と言えば、多少「?」マークが付くかもしれない。
偶然なのかな?



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