中1の時、担任教師に新田次郎の「アラスカ物語」を読むように勧められた。 勧められた、といっても実際には強制である。 授業は真面目に受けるが、学校行事に全く関心を示さない私に何事かを伝えたかったらしい。 「アラスカ物語」は、エスキモーの村に住み着いた日本人がリーダーになって、環境の変化に戸惑うエスキモー達を導いた実話をベースにしたお話?だったように記憶している。 しかし、当時はなんにも思わなかったな。 中1に読ませるのはちょっと早すぎだろ、おそらく。 もちろん今現在も、特にエスキモー文化に興味はない。 なんでこんな話を書いているのかというと、『NEVER ALONE』というエスキモー文化を題材にしたゲームをプレイしたからである。 PS+を使わないのも勿体ないから、やっただけなんだが。 タイトルが示すように、人間はひとりじゃない、自然も含めて共同体なんだ、みたいなお話のゲームだった。 あれかな? 担任教師も似たようなことを私に伝えたかったのかな? 大きなお世話だよ。 ほっとけ! それはともかく、ゲームの中身は、主人公の少女と相棒(守り神?)のホッキョクキツネを切り替えて謎解きしながら進んでいく、アクションアドベンチャーゲームだった。 エスキモーの民話・伝承を上手くゲームに落とし込めていたよ。 マージンは割と狭くて、意外ときっちり創られていた。 ただでは申し訳ないぐらいちゃんと遊べる。 ただし、これをお金出して買うかといったら、ちょっと微妙だな。 というのも、文化ってのはある集団においてのみ価値があるものなんだ。 その文化に浴しない者にとっては価値がない。 いま流行りの世界文化遺産なんてのは全くナンセンスだよ。 毎日ニュースになってるけど、私はアホかいな、と思っていつも見てる。 ゲームってのは、置き換えることによって、置き換え元の価値を分けて貰って得をするものだから、ワールドワイドに展開するゲームに文化的な価値付けはあんまり相応しくない。 実際このゲームでも、エスキモー文化を説明するテキストやらムービーやらをふんだんに盛り込んでいる。 そこにある価値を説明しないと、置き換える意味がないからね。 私もこの年齢になれば、それなりに興味深くムービーは観たよ、全部。 言いたいことは分かる。 でも、こんな説教臭い話にお金を出すかね、ユーザーが普通、と私は思うのである。 どっかから補助金でも出てんのかな、と思ったぐらいだ。 エスキモー独特の造形とか色彩感覚に創造意欲を刺激された、とかはあるかもしれないが・・。 よくこんなもんを創ろうと思ったもんだ。 これをホントに商業ベースで創ったんなら、それはそれで大したもんだよ。 |