NEVER ALONE、PS4版

なんでこれを創ろうと思ったんだろ? 2015_05_10

 

中1の時、担任教師に新田次郎の「アラスカ物語」を読むように勧められた。
勧められた、といっても実際には強制である。
授業は真面目に受けるが、学校行事に全く関心を示さない私に何事かを伝えたかったらしい。
「アラスカ物語」は、エスキモーの村に住み着いた日本人がリーダーになって、環境の変化に戸惑うエスキモー達を導いた実話をベースにしたお話?だったように記憶している。
しかし、当時はなんにも思わなかったな。
中1に読ませるのはちょっと早すぎだろ、おそらく。
もちろん今現在も、特にエスキモー文化に興味はない。

なんでこんな話を書いているのかというと、『NEVER ALONE』というエスキモー文化を題材にしたゲームをプレイしたからである。
PS+を使わないのも勿体ないから、やっただけなんだが。
タイトルが示すように、人間はひとりじゃない、自然も含めて共同体なんだ、みたいなお話のゲームだった。
あれかな?
担任教師も似たようなことを私に伝えたかったのかな?
大きなお世話だよ。
ほっとけ!

それはともかく、ゲームの中身は、主人公の少女と相棒(守り神?)のホッキョクキツネを切り替えて謎解きしながら進んでいく、アクションアドベンチャーゲームだった。
エスキモーの民話・伝承を上手くゲームに落とし込めていたよ。
マージンは割と狭くて、意外ときっちり創られていた。
ただでは申し訳ないぐらいちゃんと遊べる。
ただし、これをお金出して買うかといったら、ちょっと微妙だな。

というのも、文化ってのはある集団においてのみ価値があるものなんだ。
その文化に浴しない者にとっては価値がない。
いま流行りの世界文化遺産なんてのは全くナンセンスだよ。
毎日ニュースになってるけど、私はアホかいな、と思っていつも見てる。
ゲームってのは、置き換えることによって、置き換え元の価値を分けて貰って得をするものだから、ワールドワイドに展開するゲームに文化的な価値付けはあんまり相応しくない。
実際このゲームでも、エスキモー文化を説明するテキストやらムービーやらをふんだんに盛り込んでいる。
そこにある価値を説明しないと、置き換える意味がないからね。
私もこの年齢になれば、それなりに興味深くムービーは観たよ、全部。
言いたいことは分かる。

でも、こんな説教臭い話にお金を出すかね、ユーザーが普通、と私は思うのである。
どっかから補助金でも出てんのかな、と思ったぐらいだ。
エスキモー独特の造形とか色彩感覚に創造意欲を刺激された、とかはあるかもしれないが・・。
よくこんなもんを創ろうと思ったもんだ。
これをホントに商業ベースで創ったんなら、それはそれで大したもんだよ。


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