よく言われることだが、あらゆる創作物に於いて完全なる独創なんてものはあり得ない。 生きていれば何かしら見聞きしているわけで、必ずそこには模倣の要素がある。 ゲームの世界なんかだと、俗に言うフォロワーが発生した方が、そのジャンルはむしろ活性化するなんて話も聞く。 「ストU」の後に「餓狼伝説」、「バーチャファイター」の後に「鉄拳」が出たりね。 よく出来たゲームシステムであっても人によって面白いと感じるツボは違うから、微妙に違うゲームがたくさん出てきた方がより多くのプレイヤーにフィットする可能性が高くなるんだろう。 つまり、似てるからといって後発を潰しにかかるのは、必ずしもプレイヤーのためにはならないんだ。 似ててもイイじゃん、って姿勢が我々にも必要なんじゃないか。 特に発売されるゲームが極端に少なくなった今となっては。 ところで、『ネットハイ』がめちゃめちゃ面白かった。 久々にPSVita用のゲームなんだけど。 舞台はツイイッターのフォロワー数でリア充度が決まる世界。 フォロワー数を稼ぐために虚飾を重ねるリア充どもを、コミュ障・最底辺の非リア充主人公が爆発炎上バトルと呼ばれるディベート対決でやっつけ、フォロワーを奪い、のし上がっていく物語。 「ブログが炎上」とか「リア充爆発しろ」などのネットスラングというか、ネット常套句を、ただテキストとして使うだけじゃなく、ストーリーや演出、あるいはゲームシステムにまで織り込んで、上手く構成されている。 あんまり売れてないらしいけど、誰も知らないんじゃないの?これ。 私もたまたま発売初日にアマゾンランキングを深掘りしていって、初めて見つけたぐらいだからね。 ただし、「逆転裁判」に酷く似ている。 よくよく考えると、そのものだな。 証拠集めパートの後に裁判にあたる爆発炎上バトルが開かれるのも同じだし、そこでやることは、待った!異議あり!つきつける、に違う名前を付けただけの行為である。 斬新ではないよね。 しかも、ゆるゆるでゲームオーバーにはなりようもない。 ゲームが面白いような気がしているけど、実際はキャラのやりとりが面白いだけなのかもしれないと自分を疑いたくなるのもおんなじ。 敵キャラの立ちはやや弱いんだが、その代わり司会役のMCちゃんのキャラが強い。 MCチャンが私は大好きだな。 乳丸出しだし。 つまるところ、狭義のゲームとしてみたときには、実は褒めにくいゲームでもあった。 でも別イイじゃん。 「逆転裁判」のガワを変えただけなんだけど、それで全然構わないよ。 むしろ、ガワだけ変えれば、どんどん新しい作品が創れるってことでしょ。 今となっては難しいかもしれないけど、この『ネットハイ』がじわじわ売れていって、このジャンルは売れる!とメーカーさん側が思ってくれたら私は嬉しい。 似たようなゲーム、ウェルカム! |