Neo Cab、STEAM版

楽しくないと書きたくないときは 2020_06_04

 

ゲームの世界では楽しいことが圧倒的に正義である。
テレビゲームだけでなく、勉強でもスポーツでもなんでもそう。
楽しくないって事は自分に楽しむ能力がないって事になってしまうから。
だから、まともな人間であれば、楽しくないとは書きたくないわけである。
そんなときには、興味深い、とか、惹き付けられるものはある、とか、そんなことを書いて誤魔化すのかな。
でも、楽しくないものは楽しくないわけで、ありのままに書いた方が良いこともあるだろう。
これから書くのは『Neo Cab』の話である。
数ヶ月前にSTEAMのセールで買ったものなのだが、今頃になってやっと終わった。

これはタクシーの運転手になってお客と会話することがメインのゲームである。
行方不明になった親友を探す事が大目的としてはあるものの、基本は会話。
会話を進めていくことによって、最終的にはお客さんの力を借りて事件を解決するのである。
構成としてはよく出来ていると思う。
世界的に高評価を受けているのも納得できる。

私も3日目ぐらいまでは面白いと思ってたんだ。
しかし、4日目あたりからイヤになってきた。
お客に変人が多すぎ。
とにかく気難しすぎるの。
変なことを喋るにしても、須田剛一みたいにワケが分からない事を喋るんじゃなくて、キャラクターとしての信念を喋ってくるわけよ。
でもそれは、私からしたら単なるヘリクツに過ぎない。
それに合わせて会話しないとがっつり低評価付けてくるの。
自分が受け入れられない話に合わせるのって苦痛でしかないわ。

オマケに探してる親友が酷いんだよ。
新天地で同居するはずだったのに、急に行方不明になったと思ったら、実は自分を利用しようとしていたって判明するの、後になって。
それも悪気無く。
悪気はないから、全然反省してないの。
なんでこんな奴のために働かなあかんねん。

エンディングはエンディングで、事件は解決するんだけど、あんまりハッピーでもない。
余韻が今ひとつなんだよなあ。
このゲームをプレイして何一つ得してないって思ったね、エンディングを迎えて。
ただ働いただけ。
ひょっとしたらマルチエンドなのかもしれないが、裏の事情を知った今となってはハッピーにはなれそうもない。
これ以上やりたいとは思えないな。

このゲームが高評価を受けるのは分かる。
興味深い、と書いても嘘にはならない。
でも、楽しかったと書いたら間違いなく嘘になる。
楽しかったら、こんな数時間で終わるゲームなんか、とっくに終わってたはずだからね。


<余談>
クリア後に検索をかけてみたら、去年の11月の段階でApple Arcadeに採用されていたようだ。
セールで買って得したような気がしていたが、実は全然得じゃなかったのである。
これからはサブスクに採用されているかどうか確認してからじゃないと買えないね、セールでも。


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