このところ駆け足でPS陣営の看板ソフトをプレイしてきた。 ここまで集中的にプレイしてきたのは、なにもPS3を買ったからだけじゃない。 もちろんそれなりの理由があるのである。 私は考えていたのだ。 任天堂と戦うべき時が来ているのではないかと。 ひとまずSCEと手結んででも先に任天堂を叩くべきなんじゃないか。 確かに任天堂がDS以来やってきたことは理念として正しい。 インターフェイスを変えることによって、いったんゲームをリセットしようとする試みも、家庭内でゲームが嫌われる存在にならないようにすることも。 その一つ一つに私は納得してきた。 しかし、いざ自分を振り返ってみてどうか。 DSはともかくとして、Wiiのゲームを自分は楽しめているのか?というと、これは著しく疑問である。 明らかに私は任天堂がターゲットとしているプレイヤーではないのだ。 私は一人部屋に閉じこもって、しこしこプレイするタイプなのである。 任天堂がゲーム界の覇権を握ることが歓迎すべき事であるとしても、それは私にとって嬉しいことではない。 だったら、戦うべきなんじゃないか。 戦うには旗頭が必要だ。 我々一人一人はただゲームをすることしかできない。 それ以外をやってはいけない。 セガ亡きいまのゲーム業界を見回してみるに、任天堂と戦えるのはSCEしかいないじゃないか。 SCEが旗頭に頂くに相応しいかどうか、確かめてやろうと思って私はこのところプレイしてきたのである。 プレイしてみて分かったことには、外注ものも含めてSCEは意外とそつのないゲーム群を持っていた。 それぞれ非常に出来がいい。 セガの創るゲームなんかよりはよほど理にかなったつくりだった。 SCEは十分旗頭たり得る存在である。 しかしながら、一方でSCEサイドで戦ったところで、かつてセガと共に戦ったような喜びは得られないだろう、ということも分かった。 PS3はひどく良くできたゲームマシンである。 触ってみれば、誰だって分かるだろう。 遠からずPS3の時代は来る、私が戦わなくたって。 しかも、Wiiと排他の関係にならないことは容易に想像できるのである。 これじゃあ、どうにもならないじゃないか。 残り三戸になってもSCEを倒すのはセガ。 そう言ってみたところで既に国はなく、セガもない。 寄る辺を持たない我々には死すべき戦場すらない。 なんと寂しいことだろうか。 結局、さんざんプレイしたあげく私に分かったことはそれだけであった。 |