戦場なき戦士

戦場なき戦士 2008_03_03

 

このところ駆け足でPS陣営の看板ソフトをプレイしてきた。
ここまで集中的にプレイしてきたのは、なにもPS3を買ったからだけじゃない。
もちろんそれなりの理由があるのである。

私は考えていたのだ。
任天堂と戦うべき時が来ているのではないかと。
ひとまずSCEと手結んででも先に任天堂を叩くべきなんじゃないか。

確かに任天堂がDS以来やってきたことは理念として正しい。
インターフェイスを変えることによって、いったんゲームをリセットしようとする試みも、家庭内でゲームが嫌われる存在にならないようにすることも。
その一つ一つに私は納得してきた。

しかし、いざ自分を振り返ってみてどうか。
DSはともかくとして、Wiiのゲームを自分は楽しめているのか?というと、これは著しく疑問である。
明らかに私は任天堂がターゲットとしているプレイヤーではないのだ。
私は一人部屋に閉じこもって、しこしこプレイするタイプなのである。
任天堂がゲーム界の覇権を握ることが歓迎すべき事であるとしても、それは私にとって嬉しいことではない。
だったら、戦うべきなんじゃないか。

戦うには旗頭が必要だ。
我々一人一人はただゲームをすることしかできない。
それ以外をやってはいけない。
セガ亡きいまのゲーム業界を見回してみるに、任天堂と戦えるのはSCEしかいないじゃないか。
SCEが旗頭に頂くに相応しいかどうか、確かめてやろうと思って私はこのところプレイしてきたのである。

プレイしてみて分かったことには、外注ものも含めてSCEは意外とそつのないゲーム群を持っていた。
それぞれ非常に出来がいい。
セガの創るゲームなんかよりはよほど理にかなったつくりだった。
SCEは十分旗頭たり得る存在である。

しかしながら、一方でSCEサイドで戦ったところで、かつてセガと共に戦ったような喜びは得られないだろう、ということも分かった。
PS3はひどく良くできたゲームマシンである。
触ってみれば、誰だって分かるだろう。
遠からずPS3の時代は来る、私が戦わなくたって。
しかも、Wiiと排他の関係にならないことは容易に想像できるのである。
これじゃあ、どうにもならないじゃないか。

残り三戸になってもSCEを倒すのはセガ。
そう言ってみたところで既に国はなく、セガもない。
寄る辺を持たない我々には死すべき戦場すらない。
なんと寂しいことだろうか。
結局、さんざんプレイしたあげく私に分かったことはそれだけであった。


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