思ったほどギャルゲーっぽくなかったな、『戦場のヴァルキュリア』は。 「サクラ大戦」を開発したチームの作品と聞いていたので、登場する複数の女性キャラをそれぞれ攻略するゲームかと思っていた。 ところが、敵方のヴァルキュリアがやけに巨乳だったことを除けば、あからさまにギャルゲーライクな印象はなかったな。 というのも、これやっぱり人と人とが殺し合う戦争の物語だからだろう。 最初、いきなりヒロインが敵の哨戒兵を殺しちゃうんだよね。(殺すのはもちろん私が操作したからだけど) ああ、ヒロインが人殺しちゃうんだ、その時点で思ったな。 「サクラ大戦」みたいに魔物殺すのとは全然違う。 ガンダムみたいにロボットに乗っている人を殺すのともちょっと違う。 人が生身のまま人を殺すゲームなんだね、これは。 確かに普通のギャルゲーみたいにはいかないだろう。 これひょっとして、「どんな理由があれ、人を殺しておいて幸せになれるのか?」みたいな展開になるのかと思ったら、さすがにそこまで重い話でもなかった。 強力な破壊力を秘めたヴァルキュリアに生まれついた事への苦悩が綴られていくだけである。 この辺が一つのバランス感覚なんだろうな。 「サクラ大戦」みたいなノー天気な物語よりは現実寄りでありながら、あんまり踏み込みはしないという。 内面に踏み込んでいってもゲームにならんからな。 ヴァルキュリアは曲がりなりにもユニットに落とし込めるけど。 たぶんこのあたりが妥当なラインなんだろう、とは思った。 エロゲーだとまたちょっと話は違う。 あっちの世界では小難しい話のほうが却ってウケたりするからな。 ユーザーの層が違う。 コンシューマーでヒロインに銃弾を撃たせただけで、まずまず良くやったと評価すべきなのかもしれん。 |