お金をかけてゲームを作るって、すごく大切なことだと思うようになった。 どれだけ作り込めるかは、どれだけ資金を回収できるか、という見通しに左右されるからだ。 <有能な人材×人数×拘束時間>をいかに大きくできるか、それが非常に大切なんじゃないか。(もちろんそれが全てではないだろうけど) 「DEEP FEAR」というゲームが、そのことに気づかせてくれた。 SSで発売されたこの深海ホラーは、発売前から「バイオもどき」というレッテルを貼られていた。 既に「バイオハザード2」をプレイし終えていた私は、それを承知の上でプレイしたのだ。 実際、なかなか面白いんじゃないかと思った。 割とありふれた題材のような気もするけど、それなりにストーリーにのめり込めたような気がする。 しかし、モンスターの出現の仕方、見せ方に、全く工夫が見られなかった。 「バイオ」調のゲームでは、背景を2Dで描いているため、数枚のカットで部屋全体を見渡せるように視点を決定しなければならない。 その際に、モンスターをどういう風に出現させるかを考慮していかなければ、魅力的なシーンを作り出すことは出来ない。 「バイオ」では、あたかも映画のワンシーンを作り上げるかのように、その点が考えられている。 「DEEP FEAR」では、明らかに視点を決めてから、適当にモンスターを配置しているのだ。 ゲーム中、モンスターは武器を消費させるための障害物でしかない。 これではプレイヤーに恐怖を感じさせることはできないだろう。 これを私は開発費不足なんだろうと推測する。 デザインに優秀な人材を配置できなかった、もしくは人員をたくさん割けなかったに違いない。 縮小していくSSの市場で、どの程度売れるかという予想の上に立てられた開発費は、ワンシーンワンシーンの練り込みを許さなかったのだ。 私は非常に残念に思う。 「バイオ」の後発だけに、どんなにいい作品を作っても、それほどの評価は受けなかったかもしれない。 それでも、もっと練り込めば、格段に良くなった作品に違いないと思うからだ。 SSがもっと売れていたら・・・。 もちろん、お金をかければいいってもんじゃないだろう。 でも、お金をかけなければ、どうしようもないこともあるんだ、って事をこのゲームは気づかせてくれたんだ。 <後記> 少し古い話を書いたのは、今「バンジョーとカズーイの大冒険」をプレイしていて、視点の切り替えが練り込まれてるなあ、と思ったから。 視点をどうするかって、開発機材とかの問題ではなく、ひたすらプレイして、最適位置を見つけるしかない。 きっとすごい人手をかけたんだろうなあ、って思った。 並列してやっている「ソニックアドベンチャー」は、非常に見づらい。 これは開発費をケチったというわけじゃなくて、時間がなかったんだと思うけどね。 人手を増やすにも限界があるから。 |