ミッシングパーツ ザ・探偵ストーリーズ

もっと頑張れる、もっと・・・ 2002_01_24

 

この何日か『ミッシングパーツ ザ・探偵ストーリーズ』というゲームを最優先で進めてきた。
正直ノーマークだった。
「DCも末期だし、極力売り上げに貢献してあげたいなあ」という気持ちで買ってきたのだが、いつの間にか並列で進めていた他の3本を押しのけて、最後まで辿り着いてしまったのだ。
この稿の最後では、是非お願いをしたいと思っている。

例によって、私はこのゲームの何たるかを説明するつもりは全くないので、興味のある方は自力で何とかしていただきたい。
タイトルから容易に推測できるように、このゲームは推理アドベンチャーゲームである。

この『ミッシングパーツ ザ・探偵ストーリーズ』は、発売元のホームページ曰く「至ってオーソドックスな コマンド式アドベンチャーゲーム」なんだそうだ。
しかし、どうしてどうして、ただ者ではなかったのである。
そこには私達へのチャレンジがあった。

第1話が終わりに近づこうとする頃、私は「ははーん、そういうことか!」と思った。
このゲームでは、どの選択肢を選んでも話の進む方向は変わらない。
ということは、適当にプレイしても解けてしまうので、ゲーム性が低いでしょ!ということになってしまう。
だが、そうではない。
このゲームは私達に、自分で楽しんでみてよ!と言っているのだ。

それが証拠に、このゲームの選択肢にはニュートラルポジションがある。
通常のゲームでは、カーソルの初期位置は一番上の選択肢にセットされているのだが、このゲームでは、どの選択肢にもセットされていないのだ。(それを私が勝手に「ニュートラルポジション」と命名した)
つまり、ボタンを連打していたら一番上の選択肢を押してしまった、ということはあり得ない。
常に自らの意志で選択するのである。
もっと言えば、「情報はきちんと提供してあるから、答えは見つけられるはずだ」ということであろう。
確かに全ての情報は私達に与えられていた。

これに気が付いてから、私は選択肢が出てくるたびにじっくり考え、時には既読メッセージを読み返しながら進めた。
これは楽しかった。
得られた証言から理詰めで答えを導き出していくこと。
紙に書き出してプレイすべきだったと後悔しているくらいである。(よく間違えたよ)
私は頑張れば頑張るほどに楽しむことが出来たのだ。
恐らくもっと頑張れば、もっと楽しかったことだろう。

私達はもっと頑張れるはずだ。
だって、私達はゲーマーなんだから。
そしたら、もっと楽しめるはず。

この『ミッシングパーツ ザ・探偵ストーリーズ』というゲームは全6話の予定なのだそうだ。
今回は2話までしか収録されていない。
願わくば、初志貫徹されんことを。
次回があるならば、私は頭からもっと楽しんでみせる。

それがDCで発売されるならば、なお嬉しいことなのだが。



<余談>

このゲーム、ギャルゲー的キャラ立て手法を取り入れて、かなり読みやすい印象。
またえらく野心的にギャルゲー風味を使ってきたね!という見解もある。
結構微妙なところかも。



<追記 2002_01_29>

このゲームは拡大縮小の演出が素晴らしい。
登場人物の立ち絵を拡大縮小して、位置を変えているだけなのだが、「疑似カメラワーク」とでも言うべき効果を持っている
これは監督と呼ばれる人の仕事だなあ、と感心しながら2回目のプレイを進めた。

で、気がついたのだが、これはかなり安上がりなんじゃないか。
はじめに開発機上で拡大縮小したデータを何種類か作っておいて、それを監督、あるいは演出家と呼ばれる類の人が張り合わせたんだと想像している。
いちいち一枚絵を描いているわけではないので、絵描きさんの負担はかなり小さいはず。

これなら、DCで続編も夢じゃないかも。
人間の手間が省けて、かつDCがゲームの創りやすいゲーム機であるならば。
是非頑張っていただきたい。


<補足 2002_02_06>

上の<追記>の中で「位置を変えているだけ」とありますが、もちろんフォーカス・デフォーカスくらいは使ってたと思います。
ちょっと気になったので補足。


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