PS3版 ベヨネッタ_2

コンセプトと難易度のミスマッチ 2010_04_14

 

誰がやってもクライマックス。
『ベヨネッタ』はそういうコンセプトで創られていると私は見る。
ところが、あれ?と思うところもあるのだ。
ちょっと難しいよね。
回復アイテムを使って、更にコンティニューしまくりでようやくどうにかこうにかノーマルがクリア出来る程度だった。
キツイから連続でプレイする気にはならなかったな。
コンセプトと難易度にミスマッチがあるのではないか。

この話を書くための前提として私は、難易度を下げればいいじゃないか、という考えには否定的であることを表明しておく。
創り手は狙っているプレイヤー層の中心を明確に想定してゲームを創るべきであると思う。
狙っているプレイヤー像が明確でないと、大抵場合、負荷の設計がぶれる。
従って、プレイヤーに対して提示するノーマルのラインは非常に重要であると私は考える。
それによって創り手がプレイヤーをどう考えているのかがわかるのだ。
個人的にも、ノーマルより下げてプレイするのはイヤ。
お金と時間を費やして自分が平均以下であることを確認したくない。

この『ベヨネッタ』は創り手がプレイヤーから演出を奪うゲームである。
従って、自分で演出したい上の方の連中を狙った作品ではないはずだ。
誰でもクライマックスを体験できるんだから、もっとボリュームゾーン寄りのプレイヤーを狙うのが普通であると思われる。
ところが、実際には非常に難しく感じられる。
ボス戦よりもそれ以外のところで結構詰まった。
常に敵が複数出てくるから避けによく失敗するんだ。
雑魚のくせにコンボ食らうと体力半分ぐらい削られるときあるしな。

実はアイテムやアクセサリーを使うことによって、ある程度は簡単になるのだが、それを試そうという気にならない。
ヘタな人ほどヘイロウ(お金みたいなの)が貯まらないのに、アクセサリーなんかの値段が高いんだよ。
今どきのプレイヤーは、努力が無駄になることを酷く怖れている。
効果が良くわからないから、ヘイロウ稼ぎしてまで買おうと思わないんじゃないかな、おそらく。
説明が足りていないように私は感じた。
こうやれば良いんだ、と分かれば少々面倒でもやるでしょ。
実際攻略ページ見て、このアクセサリー買えば楽になるのか、と分かれば30分かけて10万ヘイロウ稼ぐわけですよ、多くの人は。

創り手がプレイを演出するということは、その分手間がかかる、開発費がかかるということだ。
だから、あんまり長くは出来ない、簡単にしすぎるわけにはいかない、という事情もあるうだろう。
それは仕方ない。
必ずしも難易度を下げる必要はないと思うけど、もうちょっと下のゾーンのプレイヤーを引っ張り上げていく努力が必要だなっていう気がした。
国内30万弱ぐらいしか売れなかったというのも不思議ではないな。
初動がモノをいう市場だから、そのせいで売れなかったわけじゃないだろうが。




参考図

ユーザー数

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   ←――――――――――――――― コンセプトが指し示すゾーン ――→|←自分で演出したい人ゾーン


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