ゼルダの伝説 夢幻の砂時計_2

覚えゲー 2007_08_06

 

覚えゲー、と呼ばれるタイプのゲームがある。
反射神経やコントロールの精度を問わず、パターンを覚えることでクリアできるゲームのことである。
この手のものはシューティングでもアクションでも存在するが、たとえ面白くても余りリスペクトされない。
「所詮」覚えゲー、といった言葉が使われることが多いのだ。
狭義のゲームとして考えると、覚えてしまえば限りなく負荷が0になってしまうので、これはやむを得ないのかもしれない。

しかし、ものは使いようである。
『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』は、覚えることを上手に使って見せたな。
これはちょっと書かずにはいられない。

今回の『夢幻の砂時計』は謎解きが割と簡単である。
CMなんかを見ても、今回のゼルダは自分にも出来そう、と思わせる内容になっていた。
少なくとも日本においてゼルダは少しずつプレイヤーを振り落としながら進化してきたけど、DSになって改めようという機運が生まれたんだろうな。
やっぱり解けないと面白くないもん。
簡単すぎる!なんてネットで騒ぐヘビーゲーマーの言うことに耳を貸してはいけないのだ。
『夢幻の砂時計』が正しかったことは、おそらく売り上げが証明するだろう。

ところが、やはりただ簡単にするだけは終わらないのが任天堂である。
あいつ等はしっかりゲームさせることを決して忘れない。
今回は謎解きを簡単にする分、同じダンジョンを何回もやらせるようにした。
一カ所、物語の中心になるダンジョンを作って、そこに何回も潜らせる。
それも「夢幻の砂時計」による時間制限付きで、である。

これの何がすごいかというと、謎解きは簡単なのに一回でクリアすることは出来ないところがすごいのである。(普通の人ならたぶん)
時間制限があるから、途中までやってまたやり直し。
でも、前にやった部分は覚えているから、やる度に前進していく。
覚えゲーであることをプレイヤーの成長として使ってやったんだな。
もちろんボリュームを稼ぐことにもなる。
全部これにすると鬱陶しいけど、一つのダンジョンだけこれにしたところがバランス感覚の優れているところである。

通常解いたら終わりの謎解きを覚えゲーにすることによって、プレイヤーの成長を感じさせる要素に変えていく。
解けないゲームから解けるゲームへとゼルダを変容させるために、これは必要なことだったんだろうな。


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