くどいようだが、DSの2画面は別に利点でもなんでもない。 画素が2倍の一画面と同じか、むしろそれ以下である。(ゲームウォッチのように画面が離れている事自体がゲームになっている場合はまた別だが) 実際に遊んでみれば、DSには上画面にステータスやマップがずっと表示されているRPGなんかが非常に多いことに気づくだろう。 プレイ画面とステータス画面の重要性が互角だなんて事は考えにくい。 常に表示する必要はないし、表示するにしても画素が2倍の一画面であれば、4分の1とか8分の1に領域を区切って表示しても良いはずだ。 DSでそれが出来ないのは物理的に画面が切り離されているからである。 だから2画面を最も効率的に使うには、上下画面の重要性が50:50(フィフティフィフティ)になるようなゲームを考えてやったらいい。 ゲームとして面白いかどうかはまた別問題だけど。 50:50にするのに最も簡単なのは間違い探しだろう。 2画面に同じような絵柄を表示すれば、まあ、間違いなく50:50である。 実際、初期のDSには間違い探しを取り入れたものが多かった。 しかし、いつまでも間違い探しをやりたいかっていう話もある。 やるならやるで、何かやる理由がないと。 DSもそろそろ末期だしな。 そんな2009年の暮れに一本のアドベンチャーゲームが発売されていた。 その名も『AGAIN FBI超心理捜査官』。 これはちょっと面白い試みのゲームであった。 例によって必要なこと以外は説明しないので、興味がある方は自分で調べていただきたい。 このゲームは縦持ちで、右画面に殺害現場の現在が3D表示され、左画面に同じ場所の過去が表示される。 で、過去と現在の違いを見つけて、同じになるように現在を操作してやると、殺害時の映像が脳裏にプレイバックされる、という仕組みになっているのである。 タイトルに「超心理」というワードが入っているのはそういうワケだ。 CSIファンの私としては、科学捜査で何とかしろよ、と思わないでもないのだが。 間違い探し、というか、間違い直しだな、やってることは。 でも、それによって犯人の顔が見えるっていう話になると、これは全然違う。 同じ間違い探しでも価値付けされるからね。 これは上手い設定を入れてきた。 本当はこれでようやく画素が2倍の一画面と互角なんだけど、いかにもDSならでは、という印象は受ける。 本来なら、このゲーム素晴らしい、と褒めたいところなのだが、実はそうでもなかった。 ちょっと淡泊すぎるな。 安っぽいというか。 FBIともあろうものが超常現象で事件を解決するんだから、もうちょっとパートナーと信頼関係を築くエピソードを入れるとか、なんかしないとな。 信じてもらえることが不自然だよ。 よくTVの再現ドラマに出てくる外国人俳優が安っぽさに拍車をかけてるし。 もうちょっと面白くなってもおかしくはなかったという気がする。 2画面を効率よく使うという意味で、その着想は素晴らしかった、とならば言ってもいいか。 <語注> CSI:Crime Scene Investigation、米TVドラマ。 |