PS2発売を前にして思うこと 2000_02_19

PS2発売を前にして思うこと 2000_02_19

 

PS2の発売が間近に迫ってきた。
果たしてPS2を発売日に買うべきなのだろうか?
私の心は揺れている。

ほんの少し前までは、アメリカでの発売まで待つと決めていた。
私はDVDプレイヤーを持っている。
またアメリカでは、現在予想される399ドルという価格は普及価格になり
えず、299ドルあたりになる見込みが強い。
そうなると必然国内もニッキュッパになるであろう事は想像に難くない。
今までは早く手に入れるために高値で購入してきたが、実際のところ発売直
後のゲームは見栄えだけで面白くないものが大半だという経験則もある。
全ての要素は『待ち』を示していると思っていたのだ。

しかし、どうもここ2,3日のPS2フィーバーを見ていると心がぐらつい
てくる。
playstation.com の予約申し込みでサーバーが落ちてしまったらしい。
(実は私も興味本位で午前0時前後にアクセスしてしまったが)
64DDのときはアクセスが異常に遅くなったものの、それでもちゃんと受
付け出来ていた。
サーバーの性能が比較できないのでなんだが、やはり注目度が違う。
また、ナムコのCMを見ても明らかに、PS2が成功することは間違いない、
という前提に立っていることがわかる。
そして、私の周辺で現在のPSの代謝品として、あるいはDVDとしてPS
2を購入する予定のある人のなんと多いことか。
すでに3月17日に発売されるDVD版「マトリックス」を予約している人
までいるのである。(DVD版の映画が3800円程度で買えるという事実
はクソゲーを排他するかもしれない。ある意味ゲーム開発者にとっては恐ろ
しいことだ)

ここで一つの考えが浮かんでくる。
『いつか買うものであれば、今買っておけ』
例え半年後に1万円安くなるとしても、半年の間に1万円以上楽しめるかも
しれない。
悔しいけれど、ソニーの軍門に下るほかないのか・・・。(高い初期出荷品
を買うということは減価償却に大きく貢献することになる。日本ではいつも
ゲームマシンが海外より先に発売されるが、実は海外販売分のコストも払っ
ているのだ、私たちは)


私はしばしばソニーを敵役とすることで、セガへの愛を感じてきた。
かつては敵役が任天堂であったこともある。
そして当然のように今PS2の事を考えながら、一方で私はDCの事を思っ
ているのだ。

確かにDCは苦しい。
年末あたりから良作が出続けているのに、ブレイクには至らなかった。
技術的な問題よりも主にマーケティングの失敗が大きいというべきか。
(ただDCには SEGA of America への救済策という意味合いもあったので、
国内での苦戦は計算に入っていたはずだが)
1年半に及ぶ先行アドバンテージを生かし切れなかった。
『ネットワーク標準対応』だあるとか『開発しやすい』というキーワードが
今後どの程度の力を持つかはまだ未知数である。

それでも私は失望していない。
DCには裏技がある。
DCは「Direct X」で動いているという利点があるからだ。
「Direct X」は下位互換がとれるので、上位版『DC2』とでもいうべきも
のが比較的簡単に作れるのである。
いざとなれば、DCのゲームが完全に動き且つDVDベースの『DC2』を
出したって良い。

もちろん、それはやってはいけないことだ。
コンシューマーの世界ではそれを裏切りという。
しかし、そうせざる得なかったら、思い切ってやればいい。
かつて私たちはすばらしい経験をした。
SSとPSとの激しい攻防は、私達ユーザーに多大な利益をもたらした。
PS2の独占にしてはならない。
がんばれセガ!
負けるなセガ!
(もちろん任天堂も)


・・・とエールを送ったところで、さて。
私はPS2をいつ買うか、まだ決めていない。
だがきっといつかは買うだろう。
セガを応援しながらも、PS2で遊ぶだろう。
それでいいはずだ。
最後はいつもゲームを見つめられる自分でありたいから。
そしてまた『ゲーム万歳』と叫ぼう。


<後日談 2000_04_15>


最近、MicrosoftのX-BOX関連の記事で、DCのゲームの大半はWindowsCEを
使っていないという記事を読んだ。
ということは、DirectXを使った上位機種の販売はあり得ない。
ソニーのように、PS2のチップセット部分にPSのMPUをカスタマイズ
したものを使うというウルトラCを持ち得ないセガは、下位互換を取る術が
ないのだ。
圧倒的なCPUパワーで、ソフトウェアエミュレーションすれば別だが。

もっとも Microsoftのコンシューマー進出で、事実上サポートを期待できな
い以上、どちらでも同じことかもしれない。
やはり現行機種のままで、昔のMCDのようなDVDアダプターを開発する
方向しかないのか?
あの手は避けたいのだが・・。

もっとも、最近は悪い話ばっかりでもない。
続きは『なんか嬉しい』で。


<後日談 2000_08_23>

最近、また少しDCの発売時期に関する見方が変わってきた。
1998年11月というのは極めて妥当だったなあ、という気がしてきている。
どうしてかというと、ソニーとセガの技術力の差がものをいっていて、時間が
経てば経つほどセガは不利だからだ。
セガに半導体レベルの仕事は出来ないし、結局出来合のものを使って組み合わ
せるしかない。
先行リードを取る作戦は正解だったと思うのだ。
返す返すも、初期の生産トラブルが悔やまれる。

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