私はほとんど人とTVゲームをやることはないのだが、唯一と言ってもいい例外がある。 その例外が兄貴だ。 子供の頃からゲームをやってた人間というのは大人になっても抵抗がない。 私よりも6つ年上の兄は、いまだにゲームをやることが出来るのである。 兄嫁さんなんかは全然やらない、というか、ゲームを憎んでいるようなフシさえあって、如何にゲームというものが世間に認められていないかを思い知ることになるのだが。 それはともかく、実家へ帰ると必ず兄貴は私に『Wii sports』で勝負を挑んでくる。 最近はもっぱら野球ばっかり。 突き詰めるとテニスが一番面白いだろうとはじめは思っていたのだが、実は野球が一番面白かった。 慣れてくるとストライクはかなり高い確率でホームランになるため、如何にボールを振らせるかという戦いになってきた。 トークも織り交ぜながら、振りたくなるように仕向けつつボールを投げるのだ。 いわば心理戦である。 こんな単純な内容でもここまで遊び倒せるのかと、今更のように驚いたな。 しかし、やっていると私は少し物足りなくなってきた。 ゲーム内容自体は変わらなくても良いのだが、走塁とかもうちょっとちゃんとやってくれても良いんじゃないかと思ったのである。 そこで、ほんの少しだけ複雑な野球ゲームが欲しいなと思って、『スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール』を買ってみた。 Wiiリモコンのみの操作なら簡単にできそうに思えたのだ。 ところが、やってみたらこれはすぐに駄目だと分かった。 こんな面倒な操作をたまにしか来ない兄貴が覚えるはずがない。 投げる打つという基本操作はむしろ『Wii Sports』より落ちていて、その分特殊技や特殊ルールに負荷がかかるようになっている。 遊ぶ前に相当理解度を上げないと『Wii Sports』より楽しくはならないな。 ちょっと人が集まったときに遊ぶ、というゲームではない。 おそらく仲の良いお友達が頻繁に集まるような状況がないと、これは楽しくないだろう。 ほんの少し複雑なゲームをやってみたおかげで、今更のように『Wii Sports』が良くできていることに気付かされた。 今どきのゲームはチュートリアルの作り方が上手くなってきたと感心していたのだが、チュートリアルがあること自体が実は駄目だったのである。 理解しやすいチュートリアルを作る前にチュートリアルが要らないように創る必要があったのだ。 ああしたら面白いんじゃないか、こうしたら面白いんじゃないか、と創り手は考えるはずなのだが、それはつまり特殊なルールを導入することになる。 如何にシンプルにするか、を考えなきゃいけないってことなんだな。 すぐにネタが尽きちゃって、複雑にならざるを得ないんだけど。 |