エロゲーの定義を考えていて、一つ気づいたことがある。 アーケードの脱衣マージャンは原則としてエロゲーではない。 だってゲーセンである種の行為は出来ないでしょ? 実際、脱衣マージャンはH過ぎるとインカムが落ちるといわれている。 なぜかというと、恥ずかしくて筐体の前に座ることが出来ないからである。(一時期凄くエロいのもあったけど) ここで私は一つの疑問にぶつかるのである。 脱衣がプレイヤーを惹きつける事は間違いないにしても、なぜマージャンなのか? その問いへの答えは、マージャンがいま特別やりたくはなくても、やればそこそこ面白いからだろう。 また、マージャンであれば、創り手としてはゲームを創造する必要もない。 頑張ってゲーム創るより、マージャン+脱衣の方が楽だったのではないか。 たまたまこんな事を考えているときにニンテンドーDSを買った。(以後NDS) 今更セガに義理立てすることもないとは思いながらも、同時に『きみのためなら死ねる』を購入した。 で、これは脱衣マージャンと同じだな、という気がしたのである。 私にはタッチスクリーンってヤツが本質的に面白いのか、よくわからないのである。 今は珍しいから面白く感じるだけなんじゃないのか? 『きみのためなら死ねる』をプレイしていて、そんな気がして仕方なかった。 どうも、「タッチスクリーンを使わせておけば、とりあえずプレイヤーは満足してくれる。 後は、プレイするモチベーションを上げるために、面白いゲーム世界を提供しておこう」という感じ。 タッチスクリーンを使わせることが脱衣マージャンにおけるマージャンみたいなもんなんだ。 『きみのためなら死ねる』の世界は脱衣を凌駕するほど魅力的だし。 おそらくタッチスクリーンを使うことが本質的に面白いんだ、と確信を持っている人はいないんじゃないか。 本質的に面白いんだ、という事であれば、もうちょっと他の作り方を考えるだろう、という気がしてならない。 場合によってはタッチスクリーンであるが故に面白くなくなる事も考えられる。 例えば、『きみのためなら死ねる』の中の牛なだめゲームとか、あれは光線銃でやれば面白いかもしれないのに、タッチスクリーンだと面白くない。 だって、正確にポインティング出来てしまうから。 タッチスクリーンを使うことで、狭義のゲームが失われているのである。 私がさわってみた印象としては、ポインティングが不連続になる、という点を除いて、さほどメリットは感じられなかった。 不連続にポインティング出来るということは、リアルタイムウォーシミュレーションなんかには向いているかもしれない。 あるいは、十字キーとタッチスクリーンをマウスとタブレットのアナロジーで考えてみてもいいかも。 仕事でもマウスでやった方が楽な仕事とタブレットでやった方が楽な仕事とあるでしょ? もっとも、そんなに早くタッチスクリーンの最適な使い方を提示するゲームが現れるとも思えない。 そうすると、当分は『きみのためなら死ねる』的なアプローチを取らざるを得ないんじゃないかな、きっと。 しばらくはこれでも面白く感じられるだろう。 そう遠くない将来、今までの経験では計り知れないような素晴らしいゲームが登場するといいのだが。(内心、ゲームに変わって欲しくないとも思っているけど) |