CGが凄いのはすぐに見慣れてしまう。 だから、ご褒美にはならない、というか時間の経過とともにご褒美にはならなくなる、と私は書いてきたはずである。 しかし、どんどん目新しい物が出てくるのであれば、また話は別だ。 少なくともプレイする意欲をかき立てることにはなる。 これは一体何の話かと言えば、もちろん『CUPHEAD "DON'T DEAL WITH THE DEVIL"』。 プレイヤーが少しずつ上手くなっていくように作られていて、狭義の意味におけるゲームデザインも非常に優れていた。 しかしそれだけで私がプレイし続けられたかと言えば、もちろんそうではない。 アニメーションが凄い!という見た目の魅力も大きかった。 昔のフィルムアニメーションみたいに動くんだよね。 近頃の2Dアクションゲームって内部的には3Dで作られていて、キャラが背景から浮いているように見えるんだけど、このゲームはフィルムに固定されているかのような映像。 古いディズニーアニメっぽいと言えば分かりやすいのか。 キャラクターは「トムとジェリー」っぽいと私は思ったけど、意地悪な印象の顔立ちなんかが。 とにかく凄い! 見た目の凄さに惹き付けられてプレイしたのは認めざるを得ない。 しかも贅沢。 ワンシーンワンシーンのアニメパターンが豊富なのにも驚くが、使い回しがないのにも驚いた。 このゲームにはラスボス直前にボスラッシュのようなステージがある。 普通ボスラッシュって今まで出てきたボスが再登場するでしょ? ところが、これは違う。 全部新キャラ。 サイコロを振って双六のように進むので、戦わずに済む敵もいる。 苦手なステージは意図的に飛ばすことも出来るんだ、ちょっとインチキすれば。 こんな贅沢なゲーム、見たことない。 普通は、折角創ったならプレイして貰おうと思うじゃん。 創り手の労力が遊び手の労力を圧倒していて、遊び手としては敬意を表する意味でプレイするしかない感じ。 世の中が豪華な3D映像に食傷気味になっていたから、余計に目立つ部分もあったのかもしれない。 CGが凄いったって、別に3Dでなきゃダメって法もないからね。 他の人がやってないことをやるって素晴らしい。 これはすごいゲームだったよ。 またこれが2000円で買えちゃうのも恐ろしい。 こんなゲームが出てきちゃったら、大手メーカーの立つ瀬がないよな。 |