CUPHEAD "DON'T DEAL WITH THE DEVIL"、NS版_2

見た目だって当然ご褒美になる 2019_05_23

 

CGが凄いのはすぐに見慣れてしまう。
だから、ご褒美にはならない、というか時間の経過とともにご褒美にはならなくなる、と私は書いてきたはずである。
しかし、どんどん目新しい物が出てくるのであれば、また話は別だ。
少なくともプレイする意欲をかき立てることにはなる。

これは一体何の話かと言えば、もちろん『CUPHEAD "DON'T DEAL WITH THE DEVIL"』。
プレイヤーが少しずつ上手くなっていくように作られていて、狭義の意味におけるゲームデザインも非常に優れていた。
しかしそれだけで私がプレイし続けられたかと言えば、もちろんそうではない。
アニメーションが凄い!という見た目の魅力も大きかった。

昔のフィルムアニメーションみたいに動くんだよね。
近頃の2Dアクションゲームって内部的には3Dで作られていて、キャラが背景から浮いているように見えるんだけど、このゲームはフィルムに固定されているかのような映像。
古いディズニーアニメっぽいと言えば分かりやすいのか。
キャラクターは「トムとジェリー」っぽいと私は思ったけど、意地悪な印象の顔立ちなんかが。
とにかく凄い!
見た目の凄さに惹き付けられてプレイしたのは認めざるを得ない。

しかも贅沢。
ワンシーンワンシーンのアニメパターンが豊富なのにも驚くが、使い回しがないのにも驚いた。
このゲームにはラスボス直前にボスラッシュのようなステージがある。
普通ボスラッシュって今まで出てきたボスが再登場するでしょ?
ところが、これは違う。
全部新キャラ。
サイコロを振って双六のように進むので、戦わずに済む敵もいる。
苦手なステージは意図的に飛ばすことも出来るんだ、ちょっとインチキすれば。
こんな贅沢なゲーム、見たことない。
普通は、折角創ったならプレイして貰おうと思うじゃん。
創り手の労力が遊び手の労力を圧倒していて、遊び手としては敬意を表する意味でプレイするしかない感じ。

世の中が豪華な3D映像に食傷気味になっていたから、余計に目立つ部分もあったのかもしれない。
CGが凄いったって、別に3Dでなきゃダメって法もないからね。
他の人がやってないことをやるって素晴らしい。
これはすごいゲームだったよ。
またこれが2000円で買えちゃうのも恐ろしい。
こんなゲームが出てきちゃったら、大手メーカーの立つ瀬がないよな。


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