ドラゴンクエスト8 空と海と大地と呪われし姫君_4

気に入らないものは気に入らない 2005_03_22

 

ようやく『ドラゴンクエスト8』が終わった。
長かったな。
しかし、最後の画面が著作権表示ってのは・・・、あれは一体どういう事なのか?
イヤな世の中になったものである。
趣もなにもあったものじゃない。

それはともかく、最後まで来てもやはり私が最初の印象は変わらなかった。
このゲームは明らかに喜び密度が低い。
喜びの総量は十分にあるのだが、密度の意識がないのである。
これもきっとわざとなのだろうが。
私はあまり褒めてあげたくない。

RPGという分野は日本で発展した。
人によっては退行したというかもしれないが、私たち日本人にフィットするように少しずつ変化してきたわけである。
「ウィザードリー」や「ウルティマ」からスタートしたRPGは「ドラクエ」で日本人に受け入れられた。
そこから、ゲームをつくっている人たちは考えたのである。
では、RPGの面白さっていうのはどこにあるのか?と。
その結果、基本レベルと武器のレベルを分けて頻繁にレベルアップしているように感じさせたり、一定時間内にイペントが必ず発生するようにつくられたり、様々な工夫が織り込まれるようになった。
そりゃ、遊んでる方も「俺は本当にゲームしてるんだろうか」と思ってるし、創ってる方も「俺たちは本当にゲーム創ってるんだろうか」と思ってる(想像だけど)。
でも、そうならざるを得ないから、そうなったんだよ。

ところが、本家の「ドラクエ」だけは、そういうの無視しているんだな。
完全に無視しているとまで言い切るほど私は「ドラクエ」を知らないけど、今回プレイした印象としては、無視しているとしか言いようがない。
イベントも進まなければ、レベルアップもしません、という時間が15〜20分単位で頻繁に発生する。

確かに奇跡的なほどに素晴らしいバランス取りではある。
最近のRPGにありがちなインフレパラメーターにならないで、良くこれだけバランス取ったな、という感動は別のところである。
しかし、だからといって、なぜ「ドラクエ」だけがプレイヤーに我慢を強いていいのか、私には理解できない。
これは薄いよ、喜び密度が。
正確に言うならば、密度の薄い部分が放置されている、というべきかもしれないけど。

これが「ゼルダ」だったら、話はだいぶ違う。
例え謎解きが進まなくても、どんなに苦しくても、一応「良く意地を張ったね」と拍手を送りたい気持ちにはなる。
でも、この手のRPGで意地を張って一体なんになるというのか。
別に3割ぐらいペースアップしたっていいんじゃないの?
尺が短くなるならイベントを増やせばいいじゃない、大作RPGなんだから。
どうにも気に入らないんだ。
面白いのは間違いなく面白かったんだけど、あんまり面白かった話を書く気にならない。



戻る