ポケモンは、もし仮に実在するならば、最強のペットであろうと私は思っている。 ネコのように可愛らしく、犬のように従順で、幼児程度の知能があるなんて反則レベルだ。 種類によって知能に程度の差はあるが、人間の言葉を大体理解してくれるみたいだからな。 あんなに都合の良いペットはいないよ。 ポケモンが実在しなくて本当に良かった。 実在していたら、おそらく人類は滅ぶだろう。 あまりに可愛くて、誰も結婚しないし、子供も生まれてこないよ。 ただし、自分のペットと他人のペット、あるいは野生の動物とは全然違うだろう。 見た時に感じる可愛らしさも注ぎたくなる愛情も違うのは当然。 ポケモンをペットと捉えるのであれば、事情は変わらないはずである。 ところで、『NEW ポケモンスナップ』をプレイしていて、私は意外と嬉しくないな、と思っていた。 ポケモンは可愛いんだよ。 ゲームもよく出来ている。 ポケモンに特別な行動を起こさせるにはフラグを立てる必要があって、ある種謎解きゲーム的な側面が強いところも私は好き。 でも、写真を撮ってもあんまり嬉しくないんだよなあ。 理由を考えてみると、やはり人間との関係性が希薄だからだろう。 調査レベルが上がっても、特に懐いてくれるわけではないんだよね。 新しいポケモンが登場したり、今までと違う行動をしてくれるだけで。 おそらく、野生のポケモンを研究として観察するという建前だから、人間が干渉してはいけないのだろう。 しかし、それではポケモンのポテンシャルは半分も発揮されない、と私は思うのである。 私はある程度ポケモンと関係を築きたかったな。 例えば、サトシのフシギダネみたいな面倒見の良いポケモンを相棒にして、野生のポケモンに多少アプローチできるようにするとかね。 懐いてくれないポケモンをいくら撮影しても、得られる喜びは高が知れてるだろ。 せめて研究所にいるポケモンぐらいサービスしてくれても良かったのに、と思うな。 もっとも、研究所はレベルを上げてないから、ひょっとしたら懐いてくれるのかもしれないが。 あそこは何回やってもレベルが上がらないんだよな。 サービス精神が足りない、という意味ではボス格のイルミナポケモンもそうなんだよ。 奴らがレンティル地方を救ったのは大昔の話だからね。 プレイヤーが何かしたからレンティル地方が救われたわけじゃない。 そもそも架空の話なのに、これは学術的にすごい発見だよ!って言われても、そんなにうれしくないんだ。 もう一回隕石が落ちてきて、再びイルミナポケモンが守ってくれたってイイんじゃないかな。 ちょっとコンセプトに縛られすぎなのではないか、というのが私の見解である。 もっと貪欲にプレイヤーを楽しませてくれればイイじゃん。 私が思うに、テレビゲームってそういうもの。 <追記> 書き終えてから、ちょっと待てよ、と思った。 このゲーム、やけにスコアを強調してくる。 ひょっとしたら、創り手はこのゲームのことを、レールシューティングみたいなゲームではなく、レールシューティングそのものだと思っているのかもしれないな。 スコアアタックを目標としたゲームだと。 そもそも狙いが違うなら、私の主張は的外れなのかもしれない。 |