『FAR: Changing Tides』の前作にあたる『FAR: Lone Sails』はびっくりするほど同じだった。 帆を張り、あるいはエンジンを動かして、ひたすら右へと進んでいく。 違いは舞台が陸か海かだけ。 『FAR: Lone Sails』の乗り物は、レールがないところでも走れるが、曲がることはできない機関車のようなものだったのである。 狭義の意味でも同じゲームといっていい。 燃料を拾って燃やしたり、発火したエンジンに水をかけたり、それを修理したり。 乗り物の中に梯子がなくて、短い距離でもエレベーターを使わされるのがやや面倒だったが、プレイ感もほぼ同じだったな。 謎解きも性質としてはほぼ同じだった。 本当にびっくりするほど同じ。 『Lone Sails』からプレイした人は『Changing Tides』に驚きを覚えなかったかもしれないと思うほどである。 ただし雰囲気の違いはやはりあった。 こちらは、主人公が男性の遺影の前に佇んでいるところから始まる。 いかにもひとり遺された感じ。 序盤にラジオを拾うのだが、これが何かにつけ鳴り出すあたりも、人を探している感を醸し出している。 ゾンビ映画とかでよくあるけど、ラジオが鳴るってことは誰か放送してる人がいるってことだからね。 BGMにも『Changing Tides』のようなワクワク感はなさそうだ。 終始さみし気な演出だった。 ここからエンディングの話を書くので、興味のある人ほど読まないで。 ひょっとすると、最初から連作の予定だったのかな。 乗り物の形状が鯨をイメージさせるあたり、最初から船を選んだほうが自然な気がする。 先に孤独な主人公が陸の端まで進んでいって、次にワクワク感で突き進んだ主人公が海側からやってきて邂逅する、という筋書きだったのかもしれない、最初から。 さらに想像するなら、三部作の可能性すらある。 『Lone Sails』をクリアした後、なぜか勝手に『Changing Tides』が起動したので、もう一度エンディングを見たところ、重要な一枚絵を見逃していたことに気づいた。 『Lone Sails』側の主人公が『Changing Tides』の船に乗り込んだ可能性が高いな。 機関車の方は壊れちゃってるし。 ということは、すでに次回作が予定されているのかも。 次は二人を切り替えて操作か、あるいは協力プレイできるゲームになるんじゃないか、もしそうなら。 最初から考えていたのか、人気が出たので付け足したのかは定かでないが。 |