ローカライズという言葉がある。 翻訳することのみをローカライズと言っている場合もあるようだが、それは結果的にそうなってしまっただけで、もちろん翻訳することだけがローカライズではない。 該当する地域の文化に配慮して、言葉遣いを改めたり、タブーの形状を変更することもある。 更に、ゲームに関してローカライズと言えば、販売する地域の特性に鑑みてデザインを変更しなければならないこともあるだろうし、より多くの説明が必要になることもあるだろう。 新型のPS3を買ったら、いずれはやろうと思っていた、『ラチェット&クランク FUTURE 2』。 前作が割と面白かったし、クランクが連れ去られたところで終わって、続きが気になってもいたからだ。 もっとも、時間が経っているせいか、内容をあんまり覚えていないのだが。 やってみて驚いたのは、とにかくまったく分からない、ということである。 なんのためにここにいて、どうしたいのかワケが分からない。(敢えてマニュアルは読まないことにしている) そもそも説明自体が不足しているのだが、それだけじゃない。 ガシャンガシャン壊してる時にNPCに喋られても頭に入らないんだよね。 何か大事なことを喋っているらしいのだが。 通常のフィールドでは字幕オンでも字幕が入らないし。 喋った内容について、ログでも残しておいて貰わないと聞き逃しちゃう。 ロード中にあらすじみたいなのが表示されるんだけど、これも字が小さくて読みづらい上にすぐ消えてしまうんだ。 また、通路にアイテムボックスが置いてあるからには壊してくれって事だと思うのだが、こっちだ!って叫んでNPCが走っていく脇にアイテムボックスが置いてあって、壊しているうちにNPCを見失ったりする。 NPCと一緒に走って欲しいならアイテムボックス置いたらいかんよな。 なんというか日本的な心配りがまるで感じられない。 外人さん達にはこれで良いのかもしれんけど。 どこでだったか忘れたが、「ラチェット」シリーズのローカライズを担当していた方がゲーム業界から足を洗うとかって自分で言ってるインタビュー記事を読んだ記憶がある。 『1』の時にはまだやってたと思う。 眉毛までローカライズするぐらいだから、専任の人がいてくれれば、もう少し何とかしてくれたんじゃないか。(ラチェットの眉毛は海外と日本で違うらしい) ローカライズを担当していた方も言ってたんだが、結局売れないゲームにはお金をかけられない時代なんだよな。 「ラチェット」ってPS陣営では比較的ネームバリューがある方だと思ってたけど、もう日本向けにローカライズすることすら許されないらしい。 売れなくなってきて、まともなローカライズが出来なくなると、当然更にプレイヤーは離れていってしまう。 新規のユーザーも増えない。 次にどこへ行ったらいいのか分からなくなって『2』の攻略Wikiを探したところ、衝撃的なことに何も書かれていなかった。 ページ自体はあるのだが。 とうとう攻略を書いてあげようというファンすらいなくなったようである。 確実に負のスパイラルに落ちてしまったな。 ゲーム自体は面白いので、熱烈なファンがいそうな気がするんだけど。 いや、ホントに面白いと思うよ。 話がちゃんと分かればもっと面白いと思う。 <後日談 2010_03_18> いや、面白かった。 クリアしてみたら。 最後の最後まで、局面局面でなぜ自分がそこに行かねばならないのか全く解らなかったが、クランクを助ける、時間を守る、という大目的は解っていたからなんとかなった。 ミッションはポーズ画面に書いてあるしな。 良くできたアクションゲームにストーリーなんてのは、あってないようなモノなのかもしれん。 |