しばしばJRPGという表現が用いられるが、一般的に明確な定義があるのか、私は知らない。 私は、時間さえかければ誰でもクリア出来るのに、なんか凄いことをやったように錯覚させるRPGのことを指す、と理解している。 RPGそのものの定義が海外とは違うので、その部分は別に説明が必要になるけど。 なんか凄いことをやったように感じさせるために、奇抜な設定を入れたり、壮大なストーリーを展開させたり、美麗なCGを作ったり、派手なエフェクトを入れたりするわけである。 それは私流にいうと、小さな負荷を乗り越えることで大きな喜びを感じさせたい、ということであり、ゲーム業界だけではなく、娯楽間での競争も激しい日本で磨かれた「お得感」なのではないかと私は思っている。 しかし、錯覚を見抜いてしまえば、所詮は小さな負荷しか乗り越えていないので、クリアしたところであんまり誇らしくはない。 そこいら辺が「ジャパニーズRPG」という言葉が悪いニュアンスを伴っている所以であろう。 ところで、『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII 』をクリアした。 これが酷く面白く感じられたのである。 というのも、かなり難しかったから。 2周やるのはイヤだったから、攻略HPで大体の流れを確認してからやったけど、一生懸命やって難易度ノーマルをギリギリクリア出来るぐらいだった。 サイドストーリーのチョコボイーターは倒せなかったよ。 メインストーリーはそれほど難しくはないけど、それでもラス前のアースイーター、メッチャ強かったわ。 ラスボスの前が一番シンドかった。 最後の方は面白くなってきて、連続で3時間ぐらいプレイしてたら頭痛くなってきたんだけど、それでも途中で止めるワケにはいかんって感じだったな。 たぶん、パラメーターがあまり伸びないし、GPや回復アイテムの数に制限があるから、プレイヤーの状態を特定しやすいんだろう。 かつかつにバランス取りしてある印象だ。 プレイヤーがちゃんと弱点を把握して、それ用に装備を調えて、ちょうどイイぐらいに。 イベントボスとは少なくとも2回は戦ってもらうつもりなんだろう。 これは上手い効果も伴っている。 一回目で失敗して壁を感じたプレイヤーは、2回目にノックアウトを発生させてガリガリ削れるようになると、大きく成長したような感覚を得るからね。 よく出来てるんじゃないかな、このゲーム。 これぐらい歯ごたえがあると、面白かったって言いたくなる。 一方で、これ、時間を使えばクリア出来るってゲームじゃないんだよね。 少なくとも攻略方法は考えなきゃいけないし、敵の攻撃も見切る必要がある。 誰でも出来るとは言い難いよな。 コマンド選ぶだけでアクションゲームのように戦えるし、演出は派手だし、世界は生まれ変わるし、設定は理解したくないほどいっちゃってるから、得をしてることは間違いないんだが、誰でもクリア出来る安心感はない。 良い意味でも悪い意味でも「ジャパニーズRPG」の先駆者であったFFらしからぬ作品だった。 こういうゲームが日本で求められているのかね、果たして。 『13−2』、『13−3』とどんどんまともなゲームに進化してきたように感じるんだけど、実際の売り上げはどんどん下がっていく。 海外を含めると、どうなるのかは知らないけど。 ナンバリングじゃないから、売れなくてもいいのかな。 |