ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII

褒めやすいゲームは売れない 2013_12_24

 

しばしばJRPGという表現が用いられるが、一般的に明確な定義があるのか、私は知らない。
私は、時間さえかければ誰でもクリア出来るのに、なんか凄いことをやったように錯覚させるRPGのことを指す、と理解している。
RPGそのものの定義が海外とは違うので、その部分は別に説明が必要になるけど。
なんか凄いことをやったように感じさせるために、奇抜な設定を入れたり、壮大なストーリーを展開させたり、美麗なCGを作ったり、派手なエフェクトを入れたりするわけである。
それは私流にいうと、小さな負荷を乗り越えることで大きな喜びを感じさせたい、ということであり、ゲーム業界だけではなく、娯楽間での競争も激しい日本で磨かれた「お得感」なのではないかと私は思っている。
しかし、錯覚を見抜いてしまえば、所詮は小さな負荷しか乗り越えていないので、クリアしたところであんまり誇らしくはない。
そこいら辺が「ジャパニーズRPG」という言葉が悪いニュアンスを伴っている所以であろう。

ところで、『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII 』をクリアした。
これが酷く面白く感じられたのである。
というのも、かなり難しかったから。
2周やるのはイヤだったから、攻略HPで大体の流れを確認してからやったけど、一生懸命やって難易度ノーマルをギリギリクリア出来るぐらいだった。
サイドストーリーのチョコボイーターは倒せなかったよ。
メインストーリーはそれほど難しくはないけど、それでもラス前のアースイーター、メッチャ強かったわ。
ラスボスの前が一番シンドかった。
最後の方は面白くなってきて、連続で3時間ぐらいプレイしてたら頭痛くなってきたんだけど、それでも途中で止めるワケにはいかんって感じだったな。

たぶん、パラメーターがあまり伸びないし、GPや回復アイテムの数に制限があるから、プレイヤーの状態を特定しやすいんだろう。
かつかつにバランス取りしてある印象だ。
プレイヤーがちゃんと弱点を把握して、それ用に装備を調えて、ちょうどイイぐらいに。
イベントボスとは少なくとも2回は戦ってもらうつもりなんだろう。
これは上手い効果も伴っている。
一回目で失敗して壁を感じたプレイヤーは、2回目にノックアウトを発生させてガリガリ削れるようになると、大きく成長したような感覚を得るからね。
よく出来てるんじゃないかな、このゲーム。
これぐらい歯ごたえがあると、面白かったって言いたくなる。

一方で、これ、時間を使えばクリア出来るってゲームじゃないんだよね。
少なくとも攻略方法は考えなきゃいけないし、敵の攻撃も見切る必要がある。
誰でも出来るとは言い難いよな。
コマンド選ぶだけでアクションゲームのように戦えるし、演出は派手だし、世界は生まれ変わるし、設定は理解したくないほどいっちゃってるから、得をしてることは間違いないんだが、誰でもクリア出来る安心感はない。
良い意味でも悪い意味でも「ジャパニーズRPG」の先駆者であったFFらしからぬ作品だった。
こういうゲームが日本で求められているのかね、果たして。
『13−2』、『13−3』とどんどんまともなゲームに進化してきたように感じるんだけど、実際の売り上げはどんどん下がっていく。
海外を含めると、どうなるのかは知らないけど。
ナンバリングじゃないから、売れなくてもいいのかな。



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