あれはいつのことだったかな? yahooのトップに「湯川専務を探せ!」とかいうドリームキャスト発売20周年を記念した記事が載っていたのは。 湯川専務のことなどどうでもいいのだが、その記事の中にセガの元社長のコメントが載っていて、それが目を惹いた。 「セガのクリエイターたちは優秀だけど、アーケードゲームをずっと作っていたから、長時間プレイする家庭用のソフト作りがうまい人はいなかった」という部分。 そういえば、あの頃のセガは誰がCS部門を取り仕切ってるのかよく分からなかった。 アーケード部門の人たちがドリームキャスト用のゲームを創ってたような・・・。 あの黒い人もまだ鈴木裕の下にいたのかな、記憶が定かでは無いが。 いや、ちょっとまてよ。 あの頃はまだ黒くなかったような・・・。 というか、普通のゲーム開発者だった気がする。 なぜああなってしまったのか。 それはともかくとして、『ジャッジアイズ:死神の遺言』の話である。 ホントに上手。 何が上手って長い時間遊ばせるのが上手。 それもあまりプレイヤーの能力に依存させないように。 まず戦闘がそれほど難しくないのがいい。 難易度ノーマルなら相当下手な人でも回復アイテムを使えば楽勝だろう。 下手な人ほどお金が重要になって、サイドイベントをこなしていく必要があるから、余計楽しく感じられるかもしれないぐらい。 そしてストーリー進行の合間合間にどうでも良いようなお使いイベントを挟んでくる。 イベントとは言いつつ実際にはミニゲームみたいなヤツを。 個々のミニゲームは全然面白くないんだよ。 尾行なんか全然面白くない。 それでもほどよくボリュームを稼いでくるんだ。 どうでもいい部分になればなるほど、難易度は下げてある。 どうでもいいことで詰まるとプレイヤーはやる気をなくすと判断しているのだろう。 とにかく達成させよう、という意図がひしひしと感じられた。 おそらく大半のプレイヤーはそんなに苦労したいとは思っていない。 ただストーリーを追いたいだけ。 そこにほどよく時間稼ぎを入れて、満足度を高めるようなつくりになっているんだ。 ホントによく出来たゲームだと思う、『ジャッジアイズ:死神の遺言』。 最後の方の展開はさすがにどうかと思うところもあったけど、詰まることがないから文句を言う機会が無かった。 こんなに面白くないことを組み合わせて、最終的に面白かったと思わせるのって凄い才能だよ。 あの黒い人はもっと評価されるべきだ。 ドリームキャストの頃に黒い人がCS部門のトップだったら・・・と思わずにはいられない。 まあ、でも時代が違ったか、今とは。 あの頃のゲームクリエイターはみんな偉そうだったからな。 負荷の大きいゲームをやらないとプレイヤーが誇らしく思えなかったように、創り手もプレイヤーに負荷を強いるゲームを創りたがった時代だ。 「負荷を強いることができない」=「ゲームそのものが面白くない」と思っていた時代。 たとえ大半のプレイヤーがゲームに誇らしさなど求めていなくても。 失敗を重ねて、偉い人たちがいなくなって、ようやく黒い人がトップに立てた。 日サロに通って、変な服着て、プチ整形?して、ゲームを売るためなら何でもやるという姿勢が、誇らしさを求めるクリエイターの悪癖を改めさせたのかもしれない。 こういうゲームを創ってくれる人も必要だ。 間違いなく。 だって、ラクで楽しいゲームをやりたいもんね、私も。 |