GRAVITY DAZE 2_2

もとの君ではいられないだろう 2017_02_14

 

最後の最後まで戦闘がつまんないな、『GRAVITY DAZE 2』は。
ホントにイヤでイヤでしょうがなかった。
ストーリーは最後まで見ておきたいから、なんとか頑張ったけど。
たぶん創り手も戦闘は面白くないと分かってるんじゃないかな。
ストーリーを進めていくと、戦闘じゃないことをやらされる事が多かった。
目先を変えなければ保たないという理解はあったんじゃないか。

その話はもういいか。 いま私が書きたいのはストーリー、というか主人公キトゥンの方である。
エンディングについては具体的には書かないつもりだが、何も知りたくないという方は読み進めないでください。


私は『1』の時のキトゥンが大好きであった。
ガングロコギャルみたいな風体なのに、とてもピュア。
ギャップがいいじゃん。
さらには、凄い力を持っているのに、それを自分のために使おうとせず、ガラクタを集めて喜んでいるあたりが微笑ましい。
こんな感じでずっといて欲しいと私は願っていた。

ところが、今作はあんまりキャラの持ち味を発揮させて貰えないんだ。
何かっていうと、すぐに小難しい話に巻き込まれてしまう。
なんか可哀想でさ。
もうちょっと楽しいことがあってもいいんじゃないの。
最後の方になると、難しい決断を強いられたりして、彼女には重すぎるよ、お話が。

おそらく『1』の副題から推測するに、設定としては最初からあったんだろうね。
そういえば伏線も張ってあったような気はする。
記憶を失ったキトゥンが成長していく過程を描くことが悪いとは言えない。
重いエンディングも別に悪いわけじゃないだろう。
最後もそれなりに気は遣われている。
エンドロールと平行して、丁寧にその後の世界をプレイヤーに体験させた上で、ハッピーエンドを予感させていた。
本来は後味も悪くない・・・はず。

ただ、これほどの経験をしてしまった彼女はもとのままではいられないだろうね。
串焼きにときめいていた、あのキトゥンでは。
これだけの経験を積んでしまったら、悟りのひとつもひらきかねないよ。
それってハッピーなのかな?
物語の上でハッピーであっても、果たしてそれは本当にハッピーといえるのか。
歳をとると、なにより大切なのは心の弾力だと感じるようになる。
成長して弾力を失うことがハッピーだとは思えないんだ、私には。
キトゥンがキトゥンのままでいる方がハッピーなのではないか。
そんな気がして、素直にこれで良かったとは思えないでいる。


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