-CHASE- 未解決事件捜査課 〜遠い記憶〜

顔以外でも頑張れ 2016_10_05

 

ダウンロード専売の低価格アドベンチャーゲームは果たしてお買い得なのだろうか?
確かに安くて買いやすいことは買いやすい。
しかし、実売価格が5倍のパッケージの大作に比べると、中身は5分の一以下になってしまうことが多い気がする。
流通マージンがゼロであっても、ダウンロード専売だと売り上げが見込めないから、中身に見合った開発費を捻出できないのが現実なのではないか。
となれば、あんまりお金がかからないような舞台設定を考えるところから始めるといいのかもしれない。
場面が頻繁に転換したり、登場人物がたくさん出てきたりしない設定を。

ところで、いよいよ3DSで遊びたいゲームがなくなった。
どうしようもなくなって、『-CHASE- 未解決事件捜査課 〜遠い記憶〜』をプレイしてみた。
eShopを覗いたところ、保有残高でちょうど買えるアドベンチャーゲームがあったから、というだけの理由である。
何も期待はしてなかった。

このゲームをプレイし始めると、最初に、おっ!?と驚く。
3DSでかつ低価格の割に、顔のモデリングに力が入っている。
ちょっと大作感を覚えた。

しかし、実際はそうではない。
酷く小さな作品だった。
タイトルの通り、未解決事件を扱ってるのがミソで、現場はもう存在しいないから、原則として捜査はできない。
過去の資料をあたるだけである。
あとは容疑者を尋問するしかない。
だから顔だけ頑張って作ったんだろう。
なるほど低価格にあった舞台設定なんだな、と感心させられる。

もっとも中身の方は平凡な感じだったけど。
推理を2択や3択で進めていくのだが、条件が緩くて、それほどゲームをやっている感覚は無い。
しかも、分かりやすい答えは面白くないし、わかりにくい選択肢は、主人公が述べる理屈に納得できなかった。
おそらくもうちょっと手順を踏んで、かつ適度にロジックの距離をとって、プレイヤーに考えさせる必要があるんじゃないかな。

ストーリーもメチャメチャ短い。
ストーリーが終わっていないどころか、主人公に何が起こっているのかも分からないままである。
当然、続きはあるんだろう。
今作が売れてなければ、続きは無いかもしれないが。
設定は使えそうだから、もうちょっと頑張れば、面白くなりそうな気はしてるんだ。
顔以外のところで、もうちょっと頑張れば。


<追加>
だいぶ前のことになるが、テレ朝の深夜枠に「時効警察」っていうドラマがあった。
オダギリジョーが主演してたヤツ。
アレなんかも、舞台が限られてるから、制作費を安く出来たんじゃないか。
発想としては同じなのかもしれない。


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