歳を取ったせいなのか、嫌なシーンを見たくないんだよね。 いきなりだけど。 映画だろうが、アニメだろうが、もちろんゲームだろうが。 いわゆるカタルシスを得るために、物語の途中で主人公が苦境に陥ることが多いわけだが、それを見させられるのが我慢ならない。 娯楽なのに、なぜ嫌な思いをする時間を耐えねばならなんのか、と思うね、特に最近。 動画であれば早送りできるから、そこは自分なりに調整して観るようにしている。 ところで、これから『神無迷路』の話を書く。 パッと見、「かまいたちの夜」っぽいシルエット画が目をひくアドベンチャーゲームである、これは。 STEAMのサマーセール中に買ったの、何も買わないのも勿体ないかと思って。 やってみたら、これはちょっと印象が違った。 「かまいたちの夜」じゃなくて、「科学アドベンチャーシリーズ」のフォロワーだと思われる。 量子的な振る舞いを拡大解釈して、タイムリープを正当化するようなお話。 分岐をチャートで可視化するあたりはかまいたちっぽく見えなくもないが、実はバッドエンドとロックされた分岐がつながっているのである。 だから厳密にいうと分岐じゃないんだよね。 まあ、そこはむしろ上手いチャートの使い方だと思った、私は。 エンディングも悪くない。 ただプレイしている最中は全然面白くなかった。 とにかく主人公がへぼ過ぎる。 二浪中(三浪だったかも)にお金がないからバイトに来た、という設定のダメ人間なのである、主人公は。 大体何をやってもうまくいかず、すぐにバッドエンドになる。 全然こっちの思った通りに動いてくれないの。 理由があってそういう主人公像になっているのは分かるが、そんなの読みたくないよね。 加えて、声優が珍しくヘタクソで困ってしまった。 音声を聞きたくないのだが、音声を消すと誰のセリフなのかわからないので消すに消せなかったのである。 次の音声が来るまで声が止まらないので、とにかく早く読んだよ。 飛ばしてはいない。 でも、全力で速読した。 そのせいか、最終的にもあんまり面白いとは思わなかった。 こういう作りになっているのは理解できるけどね。 低価格のインディーズだし、創り手がこれで満足しているならイイんでしょう。 |