GC版『実況パワフルプロ野球9』をプレイするにあたって、一番気になっていたのは、なんといってもコントローラーである。 一時期、コナミが「パワプロ専用コントローラー」のアンケートを採っていたのだが、その後なんの音沙汰もなし。 GCのコントローラーでパワプロをやらねばならないのだ。 こんなので大丈夫か!? 私が一番心配していたのは「Cボタンがない」といういこと。 送球と飛び付きの誤動作(正確には誤入力)が問題になりそうだと思っていた。 しかし、どうやらソフトウェア側で飛び付きを抑えているらしく、ほとんど問題にならないようだ。 この点に関しては大安心。 ところが、問題は別にあった。 左側のアナログスティックである。 PS2のDS(デュアルショック)よりもかなり高い位置にあるので私は安心していたのだが、3Dスティックの場合とは親指の角度が15°ぐらいズレている。 結局感覚を修正しなければならなかった。 DSは70°ぐらいズレているわけだが、ズレているという意味では同じである。 これを修正するのは思いのほか大変で、絶好調の五十嵐(ヤクルト)に直球だけ投げさせて、ただひたすら打ち込みをやった。 はじめは全く打てなかった。 40点を越えるのに3時間もかかる有様。(10球、シングルヒットで4点&一塁打につき+1点) ペナントレースを60試合ぐらい戦ってきた現在になっても、松井・清原が3割に届いていない。 率が悪いのは強振不利のバランス取りだからというのもあるんだろうけど。 私は段々腹が立ってきて、任天堂に八つ当たりした。 「はじめっから、こんなコントローラーじゃパワプロに向かないのわかり切ってるじゃん!! アホちゃうの? 作る段階で、かーんがえろよ!」 ボタンの配置が特殊なのも、LRボタンがアナログで押しにくいのも気に入らなかった。 まあしかし、任天堂も判っていたはずである。 「パワプロはあくまで3Dスティックで」と主張するユーザーが数万人程度はいるだろう、ということは。 3Dスティックを捨てたら、そのユーザー達がGCを支持しないかもしれない。 それを推してもなお新しいコントローラーにしたかったわけである。 『スーパーマリオサンシャイン』なんかをやってみると良くわかるのだ。 右のアナログスティックを使って視点を変えながら、左のアナログスティックでアクションする。 これを習得するとゲームが変わる。 Lボタンで視点を真後ろに切り替えていた時とは別物のゲームになるのだ。(かなり敷居は高いと思うが) これは右アナログコントローラーがあればこそ、Aボタンが大きければこそ。 原則として、「見えにくい」ということが負荷であってはならない。 ゲームが変わるために、コントローラーは変わらなければならなかった。 であるならば諦めよう、3Dスティックは。 私はPS2版を買うわけにはいかないので、これからもGC版を買う。 GC版を去るユーザーが出ることは致し方ないだろう。 アナログスティックの使い心地はGCの方が断然上だとは思うが、おそらくそれはGC版を選択する積極的な理由にはなるまい。 ただしこのツケは払ってもらう。 「3Dスティックでパワプロ」の代償は高く付くからね。 もちろん支払うには、GCのコントローラーを使って、より素晴らしいゲームを創るより他にない。 覚悟してゲームを創れ、任天堂!(及び、サードパーティの皆さん。←悪くないので「さん」づけ) |