刑事神南さつき Case0 W・Eの殺人

今でも斬新だし、当時は尚更 2018_10_30

 

推理もののアドベンチャーゲームがやりたいと思った。
しかし、私が全く知らない推理ものってあんまりないんだよね、もう。
検索しても出てこない。
ギャルゲー界隈で高評価されすぎたせいで敬遠している作品はあるけれども。
それでも諦めずどんどん検索を深掘りしていくと、「刑事神南さつき」というワードに行き着いた。
作品名でいうと『刑事神南さつき Case0 W・Eの殺人』であった。
これは聞いた事がない。
どうやら大昔にフリーウェアだった推理サスペンスものに属するようなアドベンチャーゲームらしい。
制作者のHPも既になくなっているようだが、ダウンロードは出来た。
window95/98ベースの作品だが、一応Windows7でも動作した。

やってみたら驚き。
最初の導入部分で、動機から殺害方法までテキストで明かしてしまうのだ。
メチャクチャ斬新。
火曜サスペンス劇場みたいな感じを狙ってるのかな。
その上で主人公である刑事神南さつきに、トリックを見破らせることをゲームにしている。
中でも特徴的なのが、「keep in mind(念頭に置く)」システム。
ある証拠や証言、あるいは推理などから得られたキーワードやセンテンスを心に留めた状態で、別の証拠や証言を調べると、矛盾を発見できるのだ。
それを容疑者にぶつける事で、自白に導いて行く。
やろうとしている事は「逆転裁判」なんかに近いのかもしれない。
当時は相当斬新だったんじゃないかな。

しかも驚くべき事に、このゲームが公開されたのは2000年あたりらしいのだ。
著作権表示がないので、正確には分からない。
大昔に他の方が書いた記事を信じれば2000年、としか。
『逆転裁判』が発売されたのは2001年だから、「刑事神南さつき」の方が先なんだよ。
もちろん個人的に制作されたものだから、演出面や練り込みなんかは比ぶべくもない。
でも、2000年の段階でこの作品を個人的に創ったってのは凄いね。

やっぱりなんでも知っておくもんだ。
この『刑事神南さつき Case0 W・Eの殺人』をプレイしていたら、後の私の水準感は変わっていたかもしれない。
残念な事にこの作者はゲーム開発を止めてしまったらしく、世に出る事もなかったようである。
もうちょい知名度があれば、後のゲームにもっと影響を与えていたかもしれないのに。


<追加>
この『W・Eの殺人』は、シェアウェアだった『刑事神南さつき Man in Black』の体験版という位置づけだったようである。
今では『Man in Black』もフリーになっていて、ダウンロード可能であった。
しかし、こちらは何がフラグなのか、フラグが立ったのかどうかが分からなくて、極めてプレイしづらい。
しかも正常に動作しているのか疑わしいところもあって、中盤あたりで断念した。


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