killer7

あれも皮肉 2005_07_08

 

『killer7』が終わった。
終わったからには何か書きたいところである。
しかし、書いていいのだろうか?
私は迷っている。
これを書くということは、即ち私が皮肉を言っていることに他ならないからである。

『killer7』を一通りプレイしてみても、整合性のある結論に辿り着くことは出来ない。
私の中にあるものではどうやっても無理だ。
おそらく全てが皮肉なんだろう。
もう何から何まで皮肉。
ちょっと例を挙げてみようか。

例えば、この世界を実質的に支配するにはどうすればいいのか?
答えはアメリカ合衆国を牛耳ること、である。
世界総人口の5%に満たないアメリカを牛耳れば、世界をこの手に収めることが出来る。
そのアメリカを牛耳るにはどうすればいいのか、というと、過半数の支持を集めればいいのである。
投票率を80%としても、世界人口の2%未満で世界を支配することが出来る勘定だ。
いや、アメリカの「Winner take all(勝者独占方式)」によれば、更にその50%程度でも数字上は勝つことが出来るだろう。
そうすると、世界人口の僅か1%の集団がこの世界を支配することが可能なのである。
それはマイノリティがマジョリティを圧倒する世界だ。

もう少し続けよう。

テロリズムはいけない。
なるほどそうだろう。
しかし、それは現体制から利益を受けている者の考えることである。
圧倒的に力の小さい抑圧された人々が体制に抗議するのに、一体他にどんな方法があるというのか。
テロリズムはむしろ追いつめられた人間の本質的行動なんじゃないのか。
どんなに排除しようとしたって、人間がこの世に存在し、富や権力が偏在する限りなくなることはない。
テロとの戦いなんてバカげたこと抜かすでねえ。

更に続けようか。

日本はアメリカの犬だ、などとよく言われる。
なるほどそうだ。
しかし犬であるが故に国を守るコストを負担せずにいままで発展してこられたのである。
何が平和主義国家だ。
ふざけるな。
もし自立して真っ当な主権国家になるのであれば、当然そのコストは負担しなければならない。
時には国民の命が失われることもあるだろう。
コストは負担しないが真っ当な主権国家ではありたい。
そんな都合の良い選択肢はぶっちゃけ存在しないべ。
どっちかにしとけ。

と、いう具合に皮肉を言っているのだろう、と私は思うのである。
ところが。
もちろん、この『killer7』の中に答えが明示されているわけではない。
私の中にあるものでそれを構成するしかないのである。
そうすると、それは私が皮肉を書いていることに他ならないわけで、なんだかひどく損な役回りじゃないか。
私だって数少ない読んでくれる皆さんに皮肉など言いたくないというのに。

まったく須田っち(親しみを込めてこう呼びたい)に関わるとロクなことがない。
『killer7』から導き出される結論はただ一つである。

あいつには関わるな!



<後日談 2005_07_08>
よく考えたら、私が書いていることは皮肉じゃないな。
皮肉は遠回しに言うものなので、皮肉を解釈するとそれはもう皮肉じゃない。
嫌味というべきなのかも。



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