私はゲームのCGが優れているからといって、それを特段書きたいとは思わない。 だって、それは創り手が素晴らしいだけであって、私が素晴らしいわけではないから。 そんなこと書いたって、私には何の得もないよね。 私が書きたいのは、得られた喜びに自分がどう寄与したのか、という話なのである。 表現がリッチになったとしても、その代わりに自分の寄与が低下したら、私にとってそれはあまり意味の無い事なのだ。 ただし、寄与の低下を上回るほど喜びが増えるのであれば、それはそれで結構な話である。 ラクでしかも楽しいわけだからね。 そういうゲームが存在するからこそ、ハードウェアは進化するし、それを私は買い求めるのであろう。 ところで、『INSIDE』の話をこれから書こうと私は思っている。 遊びたいゲームがないときには、Steamのセールで買っておいた評判の良いヤツでも消化するより他なかったのだ。 『INSIDE』は『LIMBO』と同じ開発会社の作品である。 ひたすら右へと進んでいくのも同じだし、ミスすると残酷な殺され方をするのも同じ。 ただし、表現は2Dモノトーンから3Dカラーに変わった。 動けるのは面内方向だけだが、演出は奥行きも使えるので、見栄えはかなり良くなっている。 如何にも進化しました、という感じ。 しかし、私はあんまり感心はしてなかった。 演出が凝ってる分、謎解きはむしろ簡単になってるんだよね。 移動距離が長いだけ。 謎解きの面白さより、演出の面白さにややシフトした感じ。 それはつまり私の寄与が奪われていることに他ならず、面白いけど、面白いと言いたくないなあ、と私は感じていた。 ところが、中盤過ぎあたりからちょっとおかしな事態になってきた。 今まで機械を使ってやってたのに機械なしでも出来るようになったり、急に水の中でも溺れなくなったり。 ここで私は思い違いをしていた事に気付いた。 ずっと悪の組織から逃げているのだろうと思っていたのだが、主人公である少年は悪の組織の研究施設に潜入していたのだ。 ということは、少年もアレされちゃってるのかな。 言葉を全く使わないゲームだから分からなかったよ。 分からなかった事が分かったという事は、そこに私の寄与があるわけで、この辺りから興味が湧いてきた。 そして最後に、まさかああなるとは・・・。 あれは衝撃的な展開だったな。 最後の最後になって、むしろ謎解きは簡単に感じられたけど、それが気にならないほど意外な展開にエンディングまで一気にプレイしてしまった。 それまでは1回15分ぐらいしかやってなかったのに。 これは面白かった。 シンプルで難しいヤツだけが面白いのかと言ったら、そんな事はない、と改めて教えてくれるゲームだったな。 |