負い目があった。 世界一のゲーマーになりたい、などといっておきながら、私は『スーパーマリオブラザーズ』をやったことが一度もない。 現在のコンシューマーのゲームのベースになっている作品をまるで知らずに、私はゲーム話を書いているのである。 それは不味いんじゃないか、という思いは常にあった。 だが、今さらGBAの復刻版をやるわけにはいかない。 私にも意地があるのである。 今回、『ニュー・スーパーマリオブラザーズ』が発売されるのは、私にとって良いチャンスだったな。 かつて世界を席巻した『スーパーマリオブラザーズ』のエッセンスをそこに見出してみたかったのである。 『ニュー』が発売されるのを私は楽しみに待った。 しかし、実際に『ニュー』をプレイしてみて、何ら驚きは無かったな。 噂に聞く『スーパーマリオブラザーズ』はこの程度かと。 私は知っているよ、これぐらい。 考えてみれば当たり前で、今のゲームはここからスタートして出来上がったんだから、私は知らず知らずのうちに経験していたのである。 確かに良くできてはいる。 マリオに組み込まれた加速や慣性を計算に入れて、絶妙な位置にオブジェクトが配置されているのだ。 うわあ、イヤらしいわ、とか思わず嘆息することはあった。 ワンシーンワンシーンよく練り込まれているな。 『スーパーマリオブラザーズ』の後に続くゲームがこれを越えようとする余り、演出を豪華にしていった結果、ゲームの本質的な部分を忘れてしまった、と批判されることがあるのも判らなくはない。 私は豪華な演出も大好きだけどね。 プレイヤーが行う努力に対して、より大きな喜びを与えよう、という考え方は間違ってないと思うな、私は。 ゲームはより大きな喜びを求めて進化してきたし、これからも進化し続けていく。 決して止まることはない。 もちろん、新しくゲームの世界に入ってくる人のために、入門用のゲームだって必要だから、『ニュー』の存在理由はあると思うけど。 正直言って、私がやるべきゲームではないと感じている。 今となっては『スーパーマリオブラザーズ』を恐れる事なんて無かった。 今のゲームはもっと楽しいよ。 <後日談 2006_06_19> この話を書いた時点では、実はクリアしていなかった。 あまりのつまらなさについ書いてしまったのだが、クリアしたときに印象が変わっているといけないので、クリアするまで載せないことにした。 ところが、なかなかプレイする気になれなくて、時間が経ってしまったな。 印象は最後まで変わらなかったから、そのまま載せておく。 |