意地

意地 2001_10_20

 

「本当によく意地を張って見せたね。」
私はファミ通の販売統計を眺めながら思った。
『CAPCOM VS. SNK MILLIONAIRE FIGHTING 2001』発売後第一週の売り上げは、多くのセガファンが意地を張って見せた証拠である。

このところ発売されたDCのビッグタイトル(『シェンムーU』『ソニックアドベンチャー2』)の売り上げから推測するに、おそらく現在稼働しているDCは国内で20〜30万台ぐらいしかないのではないか。
その中でPS2と同時発売でありながら第一週で88200本を売り上げたのは驚異的である。
なんだかんだ言って、DCを使っているようなヘビーゲーマーはPS2だって持ってる人が多いのだ。
きっとPS2版を買うかDC版を買うか、迷ったに違いあるまい。
如何にDCがモデム標準装備といっても、今後のことを考えてPS2・・・となってもおかしくはない。
その意地の張り様たるや天晴れというべきである。

しかし、私はこの意地張り大会に参加していない。
2D格闘ゲームはもうちょっと・・・。
『ストリートファイターZERO 3 サイキョー流道場』の立ち上げに失敗したトラウマは、未だ癒えていないのだ。
大体遊びもしないゲームを買ったところで意地を張ったことになるはずもないし。
私達の意地はプレイしてなんぼである。

やはり私には私の意地張り時がある。
例えば『Rez』。
例えば『スペースチャンネル5 part2』。(DC版は通販のみになるかも、との情報あり)
例えば『サカつく特大号2』。(きっとワールドカップ前に Xbox か PS2 で発売されるだろう)
私は私なりの意地を張り通したい。

その一方で、そんなつまらない意地など、この大切な時間の前では何の意味も持たない、ということにも私は気付いている。
私は『やきゅつく』のアクセス待ちの度に、「こんな時間は要らない、こんな時間はあってはならない」と思ったのだ。
喜びと直接つながらない時間は1秒であっても許すことは出来ない。
もし、別のハードでプレイすることでこの時間をなくすことが出来るのならば、そちらを選択すべきである。
画面の綺麗さに意地を張ることは出来ても、読み込みスピードの前には為す術もない。

果たして、どこまで意地を張り通すことが出来るだろうか?、私は。
意地を張り通すことで、よりゲームを楽しめるということも一面の真理であるはずなのだが・・・。
私達に与えられた意地を張るチャンスは、もはや数えるほどしか残されていない。


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