これは凄く良い機会だな、と思った。 任天堂のホームページを見ていたら、なんと『F-ZERO GX』のタイムアタック大会が開催されるというじゃないか。 せっかく一番初めのコースだけぐるぐる走っているのだから、一番初めのコースだけ参加してやろう。 ぐるぐる回るにしたって、きっとその方が面白くなるに違いない。 そこで私はある問題にぶつかったのである。 とあるF-ZERO攻略HPに書いてあるベストタイムと公式ホームページに登録されているタイムとが大きく違う。 一番簡単なコースだからショートカットとかは考えられないのだが、どう考えても普通に走ったら出ないタイムが登録されているのである。 著しくタイムアタックする意欲が減退した。 なんでかしらんと思い調べてみたところ、不正ではない特殊な走法があるんだそうだ。 通称「ドリドリ」とか呼ばれている。 加速重視セッティングでドリフトすると加速できる、という現象を利用して、コーナーじゃなくてもひたすらドリフトし続けるらしい。 うまくやると3000Km/hぐらいまでいくんだそうだ。 不正ではないと任天堂サイドでも認めているとか。 で、「こんな走法はイヤだ」というプレイヤーと、「別にイイじゃん」というプレイヤーで分かれてしまっているらしい。 私も試しにやってみたのだが、左アナログスティックとLRボタンをガチャガチャ慌ただしく動かすことになるので、確かに強く抵抗を感じる。 ライン取りも変わってしまうだろう。 私もあんまりやりたくない。 非常にもったいない話だな、と私は思っている。 今時こんなストイックなゲームがたくさんのプレイヤーに支持されることはないだろう。 ただでさえ数少ないプレイヤーを2つに割ってしまっては、盛り上がるものも盛り上がらない。 何でもこの「ドリドリ」というのは、64の『F-ZERO X』から存在する走法なんだそうで、わかってたけど直さなかったようだ。(私は気づいてなかったけど) おそらくこういう設計なんだろう。 1.初心者のうちは加速重視が扱いやすい 2.上級者なると最高速重視に寄っていく 3.ところがどっこい、カーブが多いコースだったら加速重視のほうが速くなるんだよ だったら、カーブでドリフトしたときだけ、加速するように設計しておけば良かったのに。 加速をカーブに限定することによって、コースレイアウトでプレイヤーをコントロールすることができたはずだ。 たとえば、カーブの内側にに磁力板が張ってあって、LRボタンを押すと磁力を利用できるんだ、とか理由なんかいくらでもつけられたのに。 惜しい話だな。 もちろん「ドリドリ」を突き詰めていけば、また別のベストラインがあるはずなのだが、それが創り手の狙いだとはちょっと考えられない。 あれを想定しているのだとすれば、コースレイアウトの意味がなくなってしまう。 レースゲームでプレイヤーがガチャガチャやることを望むとは、創り手だって思わないだろう。 やっぱりプレイの価値を一元化してやる必要があるんじゃないか。 ストイックなゲームであればあるほど、プレイヤーが少数であればあるほど、それは必要になるはずである。 モチベーションを出来るだけ高めてやらないと。 ゲームっていうのは、不必要な負荷を自ら望んで自分に与え、それを自ら乗り越えること。 こんなに大変なことを、みんながみんな、自分なりに楽しめる訳じゃないからね。 |