I Am Dead、PS5版

価値づけの重要さ 2023_03_24



『I Am Dead』。
タイトルがいいよね。
PS+Exの中にこのタイトルを見つけた時、どんな内容なのか知りたくなったよ。
全く予備知識を持たず、私はこのゲームをプレイした。

狭義の意味でいうと、これはもの探しゲームということになるだろう。
主人公が幽霊であることを活かして、物の断面を見ることで隠れたアイテムを見つけるゲーム。
おそらく幽霊が壁なんかを通り抜けるシーンから発想したんじゃないかな。
とても斬新。
しかしそれだけだと、実のところあまりにも単純で、面白いとも言い切れない。
すぐに飽きちゃう。
私はこのゲームを凄く面白いと感じていたのだが、それは価値づけが上手かったからだな。

主人公は島の歴史博物館みたいなところの館長だった男。
島民の皆から愛された男だったらしい。
でもタイトルの通り、これは死後のお話。
本来であればとっくに噴火しているはずの火山を抑えていたガーディアンが弱っているので、代わりのガーディアン(島を愛する幽霊)を探すのが主人公の新しい仕事。
ガーディアン候補の幽霊を見つけるために、その幽霊と縁のある人の記憶を覗き、その幽霊の思い出の品を見つける、というゲームなのである。
思い出の品を何個か見つけると、その幽霊が現れる、といった寸法。

ここが素晴らしいんだよ。
アイテムを探すことを、誰かの人生と結びつけることが。
ほんの数ページの回想を挟むだけで全然違う。
見つけるアイテムには人生の重みがあるのだ。
だから、やってることは極めて単純なのに面白く感じられるんだろう。

もっともエンディングを見た時は、最初からそうしろよ、と思ったけどね。
まあ、それはいいでしょ。
ああじゃないとゲームが始まらないんだから。
タイトルのインパクトに負けない面白さでした。


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