ブルードラゴン_2

腰の低いヒゲ 2007_01_15

 

『ブルードラゴン』は普通のRPGだったな。
エンディングを迎えるまで、驚くようなことは一つもなかった。
しかし、よく考えてみると、ここまで基本に忠実に、かつ更に基本を推し進めたゲームも珍しい。

日本で発達したシナリオを追っていくタイプのRPGには、たくさんの約束事がある。
一定時間ごとにイベントを発生させましょう、なんてのがその一例だ。
この一定時間というのは時代と共に変わっていく。
要するに、戦闘自体がそんなに面白い訳ではない、という前提に立って考えられているので、ライバルになる他の娯楽達との関係で変わるのである。
SFC時代ですら、15分おき、とか言われていたので、いまはもっとも短いだろうな。
特にプレイヤーの中にゲーム世界が構築されていない序盤はかなり頻繁にイベント発生させる必要があるだろう。

この点、『ブルードラゴン』は上手く考えている。
イベントアイテムを取ったときなどに、いちいちパーティーを画面上に散開させている。
最初凄く違和感があったのだが、やっているうち、目先を変えるためにやっているんだ、と理解できるようになった。
頻繁にイベントに直面しているような気がするのだ。

更に大きいイベント分割する手法も入れている。
ひと続きにしても良いイベントでも、合間にプレイヤーの操作タイムを入れておく。
ホンの1秒歩いただけですぐイベント起こったりするのだが、連続してムービー見せるのを避けよう、あるいは、プレイヤーのプレイしている感を稼ごう、という意図があるんだろう。
細かいところだけど、非常に丁寧に創ってある。

一例書くだけで、こんなにもたくさんの文章を必要としてしまったので、もうこれ以上は書かないけど、他にも当たり前のことを当たり前にきちんとやってるな、と思うところはいっぱいあった。
創っている人が御大の割には、パクる事にためらいがないのも凄いな。
『シェンムー』のQTEシステムとか、『ローグギャラクシー』の「説明が必要になるアクションを最初にやったときに必要な分だけ説明する」システムとかね。
使えるものは何でも使ってくる。
意外な腰の低さだったな。

全て何処かで見たことがある。
一つ一つにはまるで驚きがない。
しかし、全体を見るとなるほど凄いな、と感じさせる。
『ブルードラゴン』はそんなゲームだったな。


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