|
弁護士って楽しいの？ってよく思う。 どんなときに思うかというと、凶悪犯の代理人として記者会見している姿なんかをテレビで見たときに、である。 もう明らかに犯人なのに、彼らは無罪を主張したり、心神耗弱によって責任能力がないと主張する。 イヤな仕事だ。（そんな仕事ばっかりでもないんだろうけど） おそらく、どんな被告であろうと法の庇護のもとで裁かれるべきだ、と自分に言い聞かせて仕事をしているのだろう。 そうじゃないと凶悪犯に対して、裁きを逃れる方法のアドバイスなんて出来ない。 私なんかの神経ではとても保ちそうにないね。 「旅に出ます。探さないでください。」と書き置きの一つも残して失踪してしまいそうである。 なんでこんな話をゲーム話の中で書いているのかというと、私が『逆転裁判２』をやっていたからだ。 「逆転裁判」の弁護士は現実の弁護士とは全く違う。 「なるほど君」がやっていることは、弁護士のそれではなく、むしろ真実の探求である。 真実の探求だから、そのハートは熱い。 被告を助けるために真の犯人まで見つけてしまうのだ。 よくもまあ、こんなゲームを考えたよなあ、と私は感心してしまう。 現実を離れてゲームを構成するということ。 その辺の事情は「逆転裁判」のＨＰにある制作者のコラムを読むと判るんだけど。 始めから弁護士をイメージしていたわけではなく、矛盾を追及して真実を明らかにするゲームを目指していたらしい。 ゲームにしたときに面白くなるようなモチーフをゲームにしていかないと、結果として生まれるゲームも面白くはないのだろう。 それを弁護士のワクに無理矢理はめてみた、ということか。 自分にはこういう発想はないな、と思った。 常識に囚われちゃうから。 常軌を逸していても、要するにゲームの中でその世界が成立していればいいわけで、「なるほど君」は成る程弁護士なのである。 弁護士なのに、ちっとも偉そうじゃないけど。 これでいい。 これがいい。 「なるほど君」は熱いハートを持った（ちょっと卑屈な）弁護士なのである。 |