|
STEAMの新作リストの中にあった『金田一耕助シリーズ 本陣殺人事件』というタイトルは目を惹いた。 だって、私は金田一耕助のドラマが大好きだったからね、子供の頃。 調べてみると、『未解決事件は終わらせないといけないから』のシステムを流用しているらしい。 これには期待と不安が半々だった。 なぜならば、あのゲームは記憶があいまいな老婆の供述を基にしているから成立するわけで、まともな筆者(語り部)が存在する作品に応用してうまくいくのか?という疑問はぬぐえなかったから。 でも、それはやってみないとわからない。 私はこれをプレイしなければならなかったのである。 ストーリーやトリックのことは置いておく。 もう古い作品だから、原作が。 システムの話だけ。 結論から言うと、このシステムは使える。 取材メモが散逸して誰の発言かわからない、という理由付けはともかくとして、供述を並べ替えることにはゲームとして大きなメリットがあるな。 誰の発言なのか、どの時点でどのキャラが知った事実なのか、をプレイヤーが考えることで理解が深まるからだ。 選択肢等で特段の理解を迫らなくてもプレイヤーに物語やキャラの関係性を理解させることが出来るのである。 そして、それなりにゲームした感も出る。 簡単であっても手を動かして作業させることに意味はあるのだ。 そしてもう一つ重要なことがあって、情報を出すタイミングをコントロールできる。 どのタイミングで情報を出すか、を原作と関係なく創り手側で決めることが出来るのだ。 分かり易い伏線を後から出すことで、序盤ではプレイヤーに悟らせないようにしたっていい。 最終的にはプレイヤーが並べ替えるから、どのタイミングで出しても原作は変わることがないのである。 これは凄いメリットだね。 このシステムを使えば、既存の推理小説を簡単にゲーム化できるよ。 ホントにちょちょいのちょいで出来ちゃうはず。 このシステムは大発明だったんだ。 情報がバラバラになっていることに納得のいく説明をつけるのは難しいかもしれないが。 |