LIMBO_2

雰囲気で限定を隠蔽 2011_01_04

 

私は『LIMBO』というゲームをすごく難しい、と感じていた。
ボタン2つしか使わないのに。
また不安でもあった。
謎を解くにはアクションを成功させなければならないのだが、タイミングがかなりシビアで、自分がやっていることが正しいのかどうか不安になるのである。
実際、出来もしない解法を延々30分ぐらい試していたこともあった。
しかし、粘っていればいずれ解けた。
自分の力で解けるのである。
それは私の能力が高いからではなく、解けるようにゲームが設計されていたのだ。
それを少し説明したい。

このゲーム、何より絵が印象的。
白黒で、しかもモヤがかかってたり、暗くて見えないところがあったりで、プレイヤーの想像力を刺激する。
しかし、である。
そのことは同時に、謎解きに必要なものは見えている部分にあることを示してもいた。
台車が影に隠れているぐらいはあるけど、概ね大事なものは見えてるんだ。
見えているところにしかないんだよ。

普通、画面をポインターで調べるアドベンチャーゲームなんかだと、カラー絵の中にアイテムが埋もれてしまわないように、調べられるものだけ縁取りされてたりするでしょ?
ちょっと光ってたりとか。
あれの逆だよね。
必要のないものを見えなくしてしまうという。
それをゲームの雰囲気に落とし込んでるんだよ。
雰囲気作りと負荷のデザインが一体化しているという言い方をしてもいい。
だから、プレイヤーは限定されていることに気づかない。
これは満足を引き出す重要なファクターだ。

更にボタンを2つしか使わないから、出来ることは限られている。
ジャンプとアクションしかないんだから。
一定時間で閉じる扉に飛び込むにはどうした良いか?って考えていって、とりあえず試して、駄目なことを潰していくんだよな。
見えてる範囲、動ける範囲で何か出来る可能性はあるだろうか、と考えていくと必然一つの解にたどり着かざる得ないように出来ているのだ。

限定が効いてるから、相当難しくても最終的には出来る。
この謎解きはホントに難しかったと思う。
ルールの説明もなんにもないもんね。
重力が反転するとか、磁石でくっつくとか、試し試しやってくしかない。
それがまた喜びに繋がっていってるんだな。
クリアしてホントに満足。
これはホントによくできたゲームだと思う。


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