よく映画やテレビドラマでスピンオフってあるでしょ。 人気作の脇役だったキャラを切り出して主人公にしちゃうヤツ。 よく考えてみると、あれって凄く得だよね。 固定客がついているからある程度の収益が見込めるし、本編ではないから多少チープでも、あるいは冒険的な内容でも許される。 しかも仮に失敗したとしても痛手は小さいうえに、成功すれば、人気作の価値がさらに増大したことにもなるでしょ。 こんなに美味しい話はない。 しかし、人気映画と同じキャストが勢揃いしたチープなテレビ版を制作するとしたら、さてどうか? 成功すればいいけど、失敗したときのリスクが大きすぎるよね。 元になった人気作が死んじゃう。 普通ならそんな選択はしないだろう。 ところで、これから私は『Hey! ピクミン』について書こうとしている。 正直言うと、ゲームについてはあんまり書くことがない。 ピクミンを2Dにして探索要素を省いた結果、単なるアクションパズルゲームになったような印象だった。 最後までやったし、それなりに楽しかったが、特に何かを書きたいとは思っていないのである。 私がこのゲームをやっていて酷く気になったのは、あまりにも「ピクミン」であることだった。 主人公はオリマーだし、白以外のピクミン5種を投げるし、アイテムを拾ってきて壊れた宇宙船を直す展開も同じ。 ゲーム内容がグレードダウンしているのに、体裁が「ピクミン」そのものなんだよ。 これ、ホントにいいのかな? 「ピクミン」が消耗しちゃうでしょ。 ピクミンを使わなくても、似たようなゲームは創れたんじゃないのか、という気がしてね。 もちろん「ピクミン」でなければ、十数万本もは売れないだろう。 でもその分、将来の売り上げを失っただけ、という可能性もある。 私だったら、一部分だけを切り出したゲームにするけどな。 例えば、黄ピクミンを使って電気回路のようなパズルゲームにするとか、赤ピクミンだけを使って火をテーマにしたアクションゲームにするとか。 そうすれば失敗してもダメージは小さいはず。 いかにも「ピクミン」という体裁は避けたかった。 もう今更どうにもならないが。 |