私は『逆転裁判4』が特別悪かったとは思っていない。 3DSに移行してからのように、下を差分入力で使っていない分、むしろ手触りは良かったと思っている。 『4』が徹底的に叩かれたのはゲームが悪いわけではなく、プレイヤーが抱く穏当な期待を、プレイヤーの心の中に手を突っ込んで書き換えたからなんじゃないか。 『3』を終えて時間が経てば経つほど、そこから先の物語は個々のプレイヤーのものになっていくんだ。 たとえ創作者であっても、それを勝手に書き換えることは許されないんだね。 反発を受けて当然である。 本来は『3』で終わっておくべきだった。 とはいえ、今更『4』をなかったことには出来ない。 どうにかして『4』の後始末というか、『4』から軌道修正することは必要だったと思われる。 これから『逆転裁判6』について書きたいのだが、具体的な話は避けるとしても、ある程度は内容に言及せざるを得ない。 知りたくない方はここから先は読まないでください。 なかなか終わらなかったな、『逆転裁判6』は。 ボリュームが大きいだけじゃなく、とにかく大変だった。 何が大変っていろんなものを飲み込むのが大変。 いきなり御霊のご託宣?が出てきて、被害者が死ぬ直前の五感を映像で再現できちゃうし、それが巫女以外にも見えちゃうし、証拠にもなっちゃう。 いきなりノドにつっかえちゃって飲み込めない。 おまけにナルホドくんたちは、弁護士のくせに法律をなんにも知らないんだ。 どうやって司法試験に受かったんだ?って気になって仕方なかった。 それ以外にも大小様々な違和感がそこら中にあって、これはなかなかの強敵だった。 序盤はペースが上がらなかったな。 まあでも、もともと『1』の頃から霊媒を受け入れてきたわけだから、今更どうこういっても仕方がない。 とにかくすべて飲み込む! 一切文句は言わない!と強い決意で臨めば、まあまあなんとか楽しめたよ。 ゲーム自体を見れば、体裁は整っている印象。 『5』とか『大』からフィードバックを受けたのかな。 『5』で気になってた証拠の後出しはあんまり気にならなかった。 証言はともかく、物的証拠に関しては最初から全部出てたような気がする。 『大』で凄く気になってた、見えている伏線にいま突っ込まない感もかなり軽減されていた。 ボリュームが大きいのに、それほどクドく感じないのは、話の展開がスムーズだったからだと思う。 反面、尖ったところがないと思ってたんだけど、最後の最後は良かったな。 物語のスケールが大きいのって、それなりに意味がある。 成し遂げたことの価値が大きく感じられるからね。 総じて見れば、かなり満足のいく出来だった。 それになにより、これで『4』の後始末がついたのが大きい。 一応マヨイちゃんは帰ってきた。 『4』から主人公になるはずだったのに、あまりに不評だから宙ぶらりんになっていたオドロキ君に居場所が出来た。 いままで登場してきたキャラも全員活躍させた。(但しイトノコとオバチャンは除く) これで次はフリーハンドになったね。 どう展開するのも自由だ。 ナルホドくんメインでもいいし、マヨイちゃんとナルホドくんの子供世代にしてもいいし、完全新作にしてもいい。 最後に伏線を張ってたところを見ると、もう何かプランはあるのかな、開発側には。 『4』の呪縛から解き放たれた次回作には期待できるな。 <余談 2016_07_01> スケールが大きい事を追求していくなら、このシリーズのオーラスは予測できるな。 ずばり、被害者は宇宙人。 それも超大物、宇宙水戸黄門みたいな。 地球人が加害者として立件されるが、実は助さん格さんみたいなヤツが犯人。 地球の命運をかけて、宇宙で裁判だ! |