10年ぐらい前に深夜番組で「コレジャナイロボ」というおもちゃが紹介されていた。 それは見るからにしょっぱいデザインのロボット玩具で、一体一体手作りだったように記憶している。 なんでも買ってもらえる今どきの子供に「コレジャナイ!」って言わせるために開発されたらしい。 自分の思うとおりにはならない世間の厳しさを教えるためのおもちゃなのである。 検索かけたら、今でもあるみたいだね。 結構イイ値段払って、子供に嫌われるようなプレゼントを買う親がホントにいるのか、極めて疑問ではあるが、もしいるならそれはそれで結構な話である。 子供にはまだ未来があるからね。 一方こちとら、もう間違いなく人生の折り返し地点を過ぎているわけで、ガッカリする必要も、世間の厳しさを知る必要もないんだよ。 まったく、生きいているうちに欲しいものを手に入れたいものである。 それはそうと、先日『逆転裁判5』が発売された。 ずいぶんと前に予約しておいて、忘れた頃に届いたな。 私は全く知らなかったのだが、今回はディレクターが前と変わってるんだってね。 ということは当然シナリオライターも。 でも、意外と逆裁っぽい出来だった。 新キャラの立ちもイイ。 そこそこ面白かった。 ちゃんと理解している人たちが仕事で作れば、これぐらい出来ちゃうんだ。 3Dキャラだの、アニメムービーだのを見れば、かなりお金をかけて作ったことは間違いなさそうである。 しかし、これが私の欲しいものではない、とも感じていた。 序盤はディレクターが変わっていること知らなかったけど、やっぱりなんか違うな、と思ってたんだ。 それはおそらく中身が悪いワケじゃないんだろう。 きっと、これがナルホドくんとマヨイちゃんの物語ではないから、私は気に入らないだけなんだ。 私にとっての逆裁は、ナルホドくんとマヨイちゃんの掛け合いでなければならないのである。 とはいえ、『5』が全面的にコレジャナイ!かといえば、そうでもない。 今作でナルホドくんは弁護士の地位を取り戻した。 にもかかわらず、ナルホドくんが証拠をねつ造した事件が描かれなかったのは、次でメインに据えてくるつもりだからだろう。 マヨイちゃんが帰ってきそうな雰囲気もある。 次こそは、と期待できる内容ではあった。 『レイトンvs』からディレクションを一回飛ばしたのは、比較的早い時期に『6』を出すつもりで準備しているからだ、と推測できなくもないだろう。 そう思えば、『5』はこれでいいじゃないか。 今はそう思っておくことにする。 |