XBOX360のKinectって、発表されたときから評判が良かった。 深度情報が割と正確に読めるって話だったな、確か。 とはいうものの、私はあんまり信じてなかったけど。 完璧な読み取り精度がでなければ、結局突き詰めたプレイには至らないからね。 まあ、そんなに凄くはないだろうと予想していた。 しかし、実際に使ってみると、確かによく出来ている。 PSMoveみたいに球が光ってるわけでもないのに、ちゃんと奥行き方向が読み取れるんだ。 これほど安い空間認識デバイスは他にないから、ゲーム以外の分野での利用が広がっているってニュースをこのところ何回か観たけど、なるほどと納得した。 でもやっぱりゲームにはあんまり向いてないのかな。 少なくとも、置き換える対象に向き不向きがありそうである。 Kinect専用の『ガンストリンガー』をプレイしてみた。 輸入版がやけに安かったから。 簡単に説明するならば、これはガイコツになったガンマンの復讐劇を、いかにもアメリカ的なコミカルさで描いたガンシューティングゲームである。 なかなか面白かった。 しかし、である。 プレイしたら気がつかないわけにはいかなかった。 Kinectはガンシューティングには向いていない! というのも、方向を読み取ることは出来ないから。 あくまで空間座標を読んでいるだけなのである。 プレイヤーは画面のマーカーを見て位置を修正しているから、そういう意味ではWiiリモコンと変わらないのだが、決定的に違うのは方向の一体感が全く得られないことである。 一応プレイヤーとしては気分を出すために、指を銃の形に作っているわけだけど、指の向きをどれだけ変えてもマーカーは動かないのだ。 左右の腕の前に別々のスクリーンを想定して、それらと画面の座標を合わせるようなイメージかな、プレイ感は。 これではせっかく体を使ってプレイしても、あんまり得してないような気がする。 もっとも、この『ガンストリンガー』はそこのところがよく分かっていて、プレイヤーと主人公が同一なわけではない。 この復讐劇は人形劇として描かれていて、プレイヤーはそれを操っているという設定である。 これを創った連中は置き換えの同一性をよく理解していたんだろう。 時々人間が人形劇に干渉するような演出もあって、非常に面白かった。 まだ4本ぐらいしかプレイしていないけど、どうもKinectってヤツは方向や傾きがプレイ感に効いてくるような置き換え対象には向いていないらしい。 置き換え対象はかなり限定されそうだな。 ボタンがないのも不便だし。 任天堂が検討段階でWiiへの採用を見送ったのも頷ける。 Wii世代のゲーム理解として、プレイヤー側が勝手に一体感を持てばいい、ということであれば、コストパフォーマンスにもっとも優れているのはやはりWiiリモコンだな。 |