ギターヒーロー3 Wii版

楽器オモチャに求められること 2008_06_13

 

私は今まで幾つかの楽器オモチャを購入してきた。
楽器オモチャはその形状や動作の同一性から置き換えの距離が極めて近いゲームだと考えることが可能であり、凄く面白いんじゃないかと思ったのである。
しかし、実際にはそれほど面白くなかった。
というのも、単に置き換えの距離が近いだけでは駄目なのである。
動作の同一性を高めるあまり元の楽器を弾くのに近い負荷を与えてしまったらオモチャにした意味がない。
ボタンが多かったり、タイミングがシビアだったり、楽器オモチャはちょっと難しいものが多い印象だ。
その割に耳から入ってくる音は貧弱である。
喜びの増幅率を上げるという観点からすれば、これは駄目だな。
操作する負荷を下げつつ原曲、それも個々のプレイヤーが好きな曲が耳から入ってくる事が好ましいはずである。

私のこの考えにぴったりの作品が実はある。
それもずいぶん前からある。
「ギターヒーロー」がそれだ。
私は今までやったことがなかったのだが、やはり一度はやってみないわけにはいかないということで、『ギターヒーロー3』のWii版を購入してみた。

これは面白いな。
ギターの弦の数に拘ることはやはり間違いだった。
要するに動作が曲とシンクロしていればいいわけで、ボタンは4つもあれば、十分弾いている感じになる。(EASYだと3つしか使わないし、HARDになると5つ使うけど)
弦をはじく動作もなまじ同一性を上げるより、むしろ入力を明確にしてやった方がいいだろう、という判断も気が利いている。
決して簡単ではないが、同一性を担保しつつも負荷はしっかり下がっているな。

残念なことに今のところ知っている曲が一つもないので、これが原曲なのかどうか判断することが出来ないし、曲に好きも嫌いもない。
ただし、入力に音がある程度シンクロしつつ、いい音が聞こえてくる、という点に関してはバッチリOKだと思う。
そういう意味では、このゲームは音楽オモチャとしては非常に優れた作品であると言えるような気がする。

もっとも自分の好きな曲をエアギターで楽しむのとどっちが楽しいかと問われたら、ちょっとこれは答えに窮する。
何せエアギターは負荷が0に近いので、喜びの増幅率で考えたらどんなゲームも敵わない。
エアギターに勝つには、おそらくやり込んでいって、増幅率ではなく、喜びの総量で上回らなければならないだろう。
そこはプレイヤーの腕次第、ということになるはずである。


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