巨悪と戦わない

巨悪と戦わない 2003_08_08〜10

 

ゲームをやっていて、つまらないことが気になって仕方がないことがある。
それは余り良いことではない。
ゲームを楽しむためには、世界設定なりゲームシステムなりに、現実の世界を適用してケチを付けてはならないのである。
しかし、『ミッシングパーツ3』をプレイしていて、やはりつまらないことが気になっていた。

私が気になっていたこと。
それは、
「一私立探偵が巨悪と戦いすぎなんじゃないか?」
ということ。
どうしても無理があるよなあ、と思うのだ。
巨悪と戦った方が話としては面白いのだが、必然的に敵さんが手心を加えていることになる。
だって、探偵当人を殺しちゃえば、それで終わりじゃない。
警告に周りの人間殺す必要なんか本当はないのである。
どうせ同じ一人じゃないか。
そのくせ捜査は割と自由にさせてくれたりする。
話のつじつまを合わせるには、ゲーム感覚で主人公に知恵比べを挑んでくるキャラを設定したり、何かしら言い訳を考えることになる。
巨悪に一私立探偵が挑む物語を創ろうとすれば、どうしたってそうならざる得ないのだ。
それは別に「ミッシングパーツ」が悪いというわけではなくて、巨悪に挑むとそうなってしまうのである。

たとえ「巨悪」とまでは言えなくても、暴力団なんかが話にからんでくると事情は同じである。
失うことを恐れる人間は失うことを恐れない集団とは戦えない、普通は。
戦うなら戦うなりの方法論が必要になるのだ。
きっと方法論を論じすぎるとキャラが希薄になって、つまらなくなるんだろうけど。

少し前にやった『探偵神宮寺三郎 Innocent Black』もそうだったせいか、巨悪と戦わない探偵モノがやりたい、と思った。
個人的な犯罪者と知恵比べをするような。
その方がゲームは楽しみやすいんじゃないか。
たまには身の丈の戦いをしてみたいな、と思いながらプレイしていたことを私は告白しておきたい。



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