GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

私の逆を行け 2012_03_06

 

仮に自分に特殊な能力が備わっているとしたら、さてどうするだろうか?
たとえその能力が何であれ、私なら自分のために使う。
私の目下の興味は、一に余命、二におっぱい、三にお金といったところだ。
命ばっかりはどうしようもないが、おっぱいはお金があれば何とかなりそうだな。
そうすると、どうにかしてお金を稼ぐ方法を考えるだろう。
いやしかし待て。
あんまり目立つと、妬まれるかもしれない。
出る杭は打たれると言うからね。
能力はこっそり使わないといけないな。
・・・なんて書いてると、実に美しくない。
反吐が出るよ。
ということは、私の逆を行けばいいのかもしれん。

このところ、というか、かなり前からPSVの『GRAVITY DAZE』をプレイしていた。
終わっちゃうとPSVで他に遊びたいゲームがないので、ゆっくり進めていて、ようやくエンディングまでたどり着いたのである。
これは面白かったな。
重力の方向を変えて墜ちていくってのは新鮮味があった。
感覚としては、オートエイミングなしの3Dソニックに近いような気はするけども。

しかし一方で、自分の感じていた面白さをゲームの設計だけでは説明できない、という気もしている。
プレイヤーに出来ることは、飛んでくか、滑るか、キックするか、ぐらいしかなくて、バリエーションには乏しいんだよね。
ミニゲームもワンパターン。
やっぱりキャラクターなのかな、私が好きなのは。
特に主人公が。

この主人公、折角の能力を自分ためには使わないんだよ。
能力を隠さないしね。
周りの人に迷惑かけながら、ドカーンと使っちゃう。
で、折角みんなのために働いたのに逆に肩身が狭い、みたいな。
重力の影響が自分の周りにも及ぶので、まわりの人も一緒に落下して行ってしまうあたりは、この世界の面白いところでもある。(どうも死んだりはしないらしい)

幸せの閾値が低いところも好感が持てる。
自分のためにやることと言えば、せいぜいガラクタ集めて、土管に住処を作るぐらい。
小さな幸せで満足できるんだ。
酷く微笑ましいね。

たぶん主人公がこんな感じだから、プレイし続けられたんじゃないかと思う。
ジェム集めとかやってたから、かなり長い時間やってたもん。
ストーリー進行が3Dムービーじゃなくて、音声なしの漫画になってたのもキャラの魅力を引き出す一助になっていたのかもしれない。
3D人形劇が始まると、時間がかかる上にプレイヤー側の寄与が奪われていって、好きになれないことも多いしね。
一見コギャルみたいな風体なんだけど、第一印象からは思いもよらないほど魅力的な主人公に感じられたな。


戻る