バイオハザード5

ゾンビからの卒業 2009_04_27

 

かつて私はゾンビが大嫌いであった。
子供の頃にチラッと見た映画『ゾンビ』のワンシーンが怖くて、それ以来ずっとゾンビは駄目だった。
大人になっても駄目で、風呂に入っている間に部屋にゾンビが侵入しているのでは?とか思って、風呂場から出るのが怖くて仕方なかった。
今の部屋に引っ越してきたのが4年前だから、ほんのついこの間まで怖くて仕方なかったのである。
ところが、このところ急にゾンビが怖くなくなった。
死んだ人間はどうやったって動き出さないよ。
当たり前だ。
以前は夢の中でもゾンビとよく戦っていたが、今ではとんとお目にかからなくなった。
私とゾンビとの戦いは終わりを迎えたようである。
そして、ゲームの世界でも終わりを告げそうだ。

『バイオハザード5』をプレイした。
何というかバイオらしい趣に欠ける忙しないゲームだったな。
視野が狭いから敵がどこにいるのかよく分からなくて、いつもオロオロしていた。
バイオハザードのゾンビは、暗闇でじっと息を潜めてプレイヤーが来るのを待っていてくれないと困るよ。
何というか、「バイオハザード」をやっている感じではなかった。
操作方法や見え方がちょっと違う変則FPSをやっているような感じだったな。

もともと「バイオハザード」は背景や置物を全部ポリゴンで表現するのは無理だから一枚絵の前にポリゴンを重ねてごまかすところから出発した。
あんまりゾンビが走り回ると視点をしょっちゅう切り替えなきゃならないから、動かない前提でゲームが出来ていたのである。
しかし、、マシンパワーが上がってしまった。
もはや「バイオハザード」が「バイオハザード」である理由はなくなってしまったのだ。

何とか「バイオハザード」であることを海外でもウケる今時のFPSと摺り合わせようと努力した形跡は随所にある。
所々に研究者の日記みたいなのがおいてあったり、扉を開けるための石版を集めたり、バイオっぽいところは残っている。
でも、戦闘の慌ただしさに埋没してしまっている印象だった。
終わったときはやったー!という感じではなくて、やれやれ、終わったわい、といった感想だったな。

もう「バイオハザード」はいいだろ。
いい加減、ゾンビとの戦いも卒業だ。
ゾンビなんかもう怖くない。


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