Golf Story

ゴルフならでは 2018_03_16

 

スポーツでRPGというと、私はPCエンジンのテニスゲームを思い出す。
タイトル名が思い出せないのだが、検索によるとおそらく『プロテニスワールドコート』だろう。
あれなんかだと、基本的にテニス部分は本編を流用していて、敵にエンカウントするとテニスコートに場面が切り替わる。
なぜそこにテニスコートがあるのか、などと指摘してはいけないのである。
野球ゲームでも似たような構成の作品があった記憶はうっすらとあるな。
大抵の場合、RPGなりキャンペーンモードなりってのは、プレイタイムを伸ばすためのオマケ的な位置づけであった。
しかし、ゴルフになると話はちょっと違うんだ。
ゴルフ場って広いし、ゴルフ場の中にクラブハウスがあるから、そこに人がいるんだよ。
これは盲点だった。
NSで発売された『Golf Story』は擦られてきたRPGにしては斬新なゲームだったな。

海外では昨年のうちにリリースされていて、評判がいいのは知っていた、『Golf Story』。
日本でも発売されたと聞いたからSteamを確認したところ、どこにも見当たらない。
これ、NS独占なんだね。
私はNSの携帯モードを全く評価していないので、Steam版があるならSteam版を買うつもりだったのだが、無いなら致し方ない。

やってみたら、これは目新しかった。
通常フィールドでそのままゴルフが出来てしまうのだ。
「クラブとボールがあれば
 それはもうゴルフだ!」
っていう謳い文句そのもの。
ストーリーを追っていく中で、鳥を追い払うとか、ゾンビをやっつけるなどのイベントも概ねゴルフで対処できる。
実際に球を打って解決しちゃうってのが新しい。
新しいってなにより大事。

ゴルフシミュレーターとして優れているかといったら、そうではないよ。
ファミコン世代に毛が生えた程度のレベル。
バグも一杯残ってる。
でも、RPGに必要なのは、何かをやったと感じられる程度の負荷なのだから、必要にして十分なゴルフゲームではあった。
この程度のものに緻密さなんて必要ない。
ボールとカップが相対的に大きいので、チップインが発生しやすいのもむしろ好印象。

RPGとなれば、ストーリーも気になるところだが、これも私は大好き。
登場人物がみんなクズ。
普通の人が思っても喋らないような事ばかり喋る。
これが面白かった。
ドット絵だとこのふざけた感じがまた合うんだな。
リアル調だと拒絶反応が出るかもしれないが。

このゲームを創ったのが、たった二人きりの会社だってんだから、これはまたオドロキだ。
エンドロールがメチャメチャゆっくりで、これはいつ終わるんだ?と思ったらすぐに終わった。
すごい時代になりました。
ちょっと前まで、個人的なゲーム創りが出来る時代ではなくなった、と思っていたのに、これほどのゲームを個人レベルで創れるようになるなんて。
個人レベルだから、思いついた事をすぐに実現できるんだろうけどね。


戻る