GOD OF WAR、PS4

近接戦闘の水準が持ち上げられた 2018_05_27

 

水準感はある程度必要だろうと私は思っている。
CGであれ、難易度であれ、ご褒美であれ。
水準が分からないと、いま体感しているゲームが凄いのかどうか分からないから。
そうなると、創り手が何を狙っているのかも分からない。
だから、今どきの水準を知るべく、やりたくないゲームでも私はやるのである。
ホントは洋ゲーはやりたくないけど、どうしてもやらなきゃならないとなれば、SIEが発売元になっている作品は安心感がある。
ベゼスタなんかに比べれば圧倒的に親切設計になってるからね。
やりたいゲームがないときにはこれでもやっとくか、という思いで始めたのが『GOD OF WAR』。
これは確かに体験しておくべきゲームであった。

このゲーム、何が凄いって近接戦闘が凄い。
背後視点だけど、かなり近いところに視点があるのでド迫力。
ちゃんとアップに耐える画作りになっている。
更に「ベヨネッタ」なんかと同じで、アクションの効果として短いムービーを入れて、プレイヤーは何にもしてないのに凄い事してる感を強く出している。
少なくとも、これは一見に値するよ。

ただし、面白かったというと、そうでもない。
神話のお話なんて興味ないもんね。
多神の世界はルールが勝手すぎて、ついて行けない。
他人の夢の話を聞かされているようだ。
話の核になる、神である父を殺した神である主人公が神の資質を備えた息子と妻の遺言を実行すべく旅をする、という部分が弱くて胸に響いてこないし。
遺言をそこまでして実行しなければならない理由がわからない上に、主人公が父を殺したところはほとんど描かれないから。
主人公は子育てに苦労する口下手なオヤジといった感じ。
口下手すぎてイライラするわい。
親切設計だから詰まる事はないけど、あんまりお話を進めたい気持ちにはならなかった。

見所である戦闘もクドいと言えばクドい。
敵が意外と固いの。
戦い方を工夫しないと単調で面白くなくなってしまう。
ここが難しいところで、新しい技を手に入れても、それは凄く強いわけではない。
基本技だけ使っていても、ほとんどの場面でなんとかなる。
だから、面白くなるように自分でプレイを演出しなければならないのだが、私なんかはそこまで熱心じゃないのだ。
かなり早い段階から、早く終わってくれないかなと思っていた。
エンドロールには終われる喜びがあったよ。

面白いと思わなくても、この近接戦闘を一回経験しておく事が私に必要であった事には疑いがない。
プレイしておいて良かったと思っている。
しかし、これを経た事によって、私の中で近接戦闘の水準が間違いなくワンランク上がってしまった。
近接戦闘の見栄えをウリにするようなゲームは今後プレイしづらくなるかもね。
無双系なんかはたぶんもうダメだな。


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