実はそんなに面白かったとも思ってないんだ、『Sea of Stars』のことは。 ゲームシステムはよく出来ていたが、シナリオはそれほどでもなかったから。 でも、一つだけ書いておきたいことはあって、それがガール。 主人公たちの幼馴染であり、冒険を共にする小太りの少年のことである。 見た感じ、どう見ても男なのだが、名前はガール。 ここから話を進めると、どうしてもネタバレになってしまうので、知りたくない方は読み進めないでください。 このゲームの主人公は、至点の子と呼ばれる邪悪なものと戦う運命の双子?なのだが、こいつらは実は何もしない。 というのも、世間知らずだから。 ずっと修行ばっかりしていて、世間のことは何も知らないのだ。 ものの善悪が分かっているのかどうかも怪しいぐらい。 兄弟子が闇落ちして、師匠である校長の心は折れちゃってるのに、主人公たちだけ全然揺らがないのはちょっとおかしいような気がしていた、私は。 このストーリーをぎりぎりで成立させているのが、実はガールなんだ。 ガールは子供のころ、主人公たちをかばって片目を失っているのに、まっすぐな人間に育ったらしい。 こいつが凄くいいヤツで、しかもコミュニケーション能力が高い。 だから、物語を進めていくのは大抵ガールなのである。 主人公たちは自分で決めているようで、実はそうじゃない。 ガールのおかげで正しい道に進んでいくのだ。 しかも、ガールは終盤で死ぬ。 やるべきことをやって、最後まで主人公たちを導いて死ぬ。 おかげで主人公たちはブレることが出来なくなった。 死んじゃったガールを裏切れないからね。 そこは説得力があった。 考えようによっては、ガールが主人公であったと言ってもいいぐらい。 ホント、辛うじてガールで保ったお話だったという印象である。 これも頭身が低いドット絵だから成立したのかもしれないが。 リアルな動画でこのストーリーを観させられたら、とてもじゃないが受け入れらなかっただろう。 |