ゴーストトリック_2

エヴァンゲリオンだけは普通のアニメとは違うんだ 2010_06_30

 

「エヴァンゲリオンだけは普通のアニメとは違うんだ。話が深いんだよね。」と語った男を私は知っている。
もう随分と昔のことだが、私はいまだによく覚えているな。
その当時、私はまだ「エヴァンゲリオン」を観ておらず、その是非は分からなかったが、何となく胡散臭い気はしていた。
ブームも過ぎ去った後に私はそれを観て、なるほどなと思ったのである。
たぶんホントはサービスサービスぅの部分がウケているのだが、なかなか人間そうは言えない。
なんかちょっと小難しいような話を並べ立ててやると、安心して「エヴァンゲリオン面白いね」と言えるのではないか。
普段、自分はアニメオタクです!と表明していない人に、このアニメに限っては恥ずかしくないと感じさせてあげることが大ヒットする作品の要件なのだろう。
自分はアニメオタクです!と表明している人がそんなに沢山いるはずがないからな。
私はサービスサービスぅの部分だけ大好きだったけど。

一見全く関係ないようだが、私は『ゴーストトリック』の話を書こうと思っている。
『ゴーストトリック』は非常に素晴らしい作品だったと思う。
しかし、どうも私はあんまりゲーム話を書く気にならなかった。
いつもなら、他の人が書く前に書かなきゃ!って思っても不思議はなかったのだが。
なんでか?
考えてみるに、たぶんキャラが弱いからなんだな。
ゲームの構成として素晴らしいという事と、プッシュしたくなるほど好きかどうかとはまた別なのである。

この『ゴーストトリック』の主人公は魂なのだが、自分が誰なのか覚えていない。
そのせいか非常にキャラの立ちが弱いんだな。
更に場面がどんどん転換していくため、登場人物もどんどん変わっていく。
登場人物はそれぞれは面白いキャラに仕上げてあるんだけど、継続性がないため印象としてはあんまり強く残らないんだ。
しかも、謎解きを視覚的にしたため、会話の量も減ってるんだよ。
辛うじてキャラが立ってると思うのはミサイル(犬)ぐらいかな。
私はこのゲームを今ひとつ好きになりきれていないような気がする。

例えば「逆転裁判」の面白さを人に伝えようと思ったとき、矛盾を見つけて逆転するのが気持ちいいんだ、とか、待った!異議あり!ってやってると熱くなるんだ、とかどうしても書きたくなるんだよな。
その方がゲーマーとしては主張しやすい。
でも、ホントはキャラの掛け合いが気に入っているだけ、ということが往々にしてあったんだと思うのである。
ゲームが面白いっていう言い訳が「逆転裁判」には入っていたから、全力でプッシュしたいと思えたのではないか。

そう意味では、『ゴーストトリック』にプッシュするだけの言い訳は十分にある。
しかし、肝心のプッシュしたい気持ちが私にはない。
私が今ひとつ書く気にならなかったのは、おそらくそういうことだと思う。


戻る