探偵神宮寺三郎 GHOST OF THE DUSK

移籍して大成功 2017_10_24

 

神宮寺三郎シリーズって、この10年ぐらいずっと冴えない感じだった。
『クロス探偵物語』を創ったワークジャムが開発してる割に、毎回期待外れだった記憶しかない。
あんまり細かいことは覚えていないのだが。
とにかく、やたらと今泉(ヤクザ)と熊さん(刑事)の力を借りまくって卑怯臭い!って何度も思った事だけは覚えている。
そのワークジャムも2012年あたりで活動を停止したらしく、もう終わりかと思っていた。
どうやらその後、権利がアークシステムワークスという会社に引き継がれたらしく、30周年記念作品『探偵神宮寺三郎 GHOST OF THE DUSK』が発売された。
アークシステムワークスに特段の思い入れは持っていないので、特に期待もしていなかったな。
10月に入って、やりたいゲームもやり尽くしてしまったから、これでもやるしかないか、という程度の動機で私はプレイし始めた。

やってみたら、意外と面白かったよ。
今回はヤクザや警察よりもっとスゴイ組織が出てくるんだ。
今までだったら、一探偵の手に負えるわけがない、卑怯だ、と思うところなんだが、今回は割と納得した。
というのも、神宮寺の関与の仕方がスムーズだった。
まずホームレスの死体を発見してしまうところから始まって、そこから大きな事件に発展していったのが良かったな。
しかも、敵方は昔は凄い組織だったけど今は一匹狼。
味方も敵が存在するのか半信半疑で本腰を入れていない、という設定が自然に感じられた。
ネタバレを避けようとすると、こんな書き方しか出来なくて申し訳ないが。
一私立探偵である神宮寺が動いても、そんなに違和感はなかった。
明治組も今回は情報提供だけ。

犯人側の描き方も良かったな。
罪を犯す側にも、やむにやまれぬ事情があったり、曲げられない信念があったり。
クリアしたあとに物悲しさが残るあたり、ああ、神宮寺ってこんな感じだったなって思ったよ。
そして、多少救いもある。
これこそ理想的な神宮寺だ、という気がした。

システム面も動作が軽くて良かった。
余計なウェイトをかけてなくて、さくさくっと読み進められる。
フラグ立ても親切設計で、無駄な手間は省いてくれた。
プレイしていて特に不満は感じなかったな。

これならいいじゃん。
もっとやりたい。
ショートストーリーもまずまず面白かったし、ライターさんが替わったのかな?とも思った
テキストが神宮寺らしい、というか、物語がいかにも新宿っぽかった。
誰が書いているのか、私は全く知らないが。
移籍したおかげでこうなったんなら大成功だね。


戻る