神宮寺三郎シリーズって、この10年ぐらいずっと冴えない感じだった。 『クロス探偵物語』を創ったワークジャムが開発してる割に、毎回期待外れだった記憶しかない。 あんまり細かいことは覚えていないのだが。 とにかく、やたらと今泉(ヤクザ)と熊さん(刑事)の力を借りまくって卑怯臭い!って何度も思った事だけは覚えている。 そのワークジャムも2012年あたりで活動を停止したらしく、もう終わりかと思っていた。 どうやらその後、権利がアークシステムワークスという会社に引き継がれたらしく、30周年記念作品『探偵神宮寺三郎 GHOST OF THE DUSK』が発売された。 アークシステムワークスに特段の思い入れは持っていないので、特に期待もしていなかったな。 10月に入って、やりたいゲームもやり尽くしてしまったから、これでもやるしかないか、という程度の動機で私はプレイし始めた。 やってみたら、意外と面白かったよ。 今回はヤクザや警察よりもっとスゴイ組織が出てくるんだ。 今までだったら、一探偵の手に負えるわけがない、卑怯だ、と思うところなんだが、今回は割と納得した。 というのも、神宮寺の関与の仕方がスムーズだった。 まずホームレスの死体を発見してしまうところから始まって、そこから大きな事件に発展していったのが良かったな。 しかも、敵方は昔は凄い組織だったけど今は一匹狼。 味方も敵が存在するのか半信半疑で本腰を入れていない、という設定が自然に感じられた。 ネタバレを避けようとすると、こんな書き方しか出来なくて申し訳ないが。 一私立探偵である神宮寺が動いても、そんなに違和感はなかった。 明治組も今回は情報提供だけ。 犯人側の描き方も良かったな。 罪を犯す側にも、やむにやまれぬ事情があったり、曲げられない信念があったり。 クリアしたあとに物悲しさが残るあたり、ああ、神宮寺ってこんな感じだったなって思ったよ。 そして、多少救いもある。 これこそ理想的な神宮寺だ、という気がした。 システム面も動作が軽くて良かった。 余計なウェイトをかけてなくて、さくさくっと読み進められる。 フラグ立ても親切設計で、無駄な手間は省いてくれた。 プレイしていて特に不満は感じなかったな。 これならいいじゃん。 もっとやりたい。 ショートストーリーもまずまず面白かったし、ライターさんが替わったのかな?とも思った テキストが神宮寺らしい、というか、物語がいかにも新宿っぽかった。 誰が書いているのか、私は全く知らないが。 移籍したおかげでこうなったんなら大成功だね。 |